「安心の海」目指し活動25年 茨城・大洗のユニバーサルビーチ 地元クラブ奮闘

水陸両用の車椅子に乗って海を満喫するユニバーサルビーチの利用者=大洗町磯浜町

■障害者ら1585人登録

大洗サンビーチ海水浴場(茨城県大洗町磯浜町)で活動する大洗サーフ・ライフ・セービング・クラブが開設する「ユニバーサルビーチ」が25年を迎えた。お年寄りや障害のある人にも海水浴を安全に楽しんでもらうユニバーサルビーチに、ジーコ足立代表は「前例がない中、誰もが一緒に楽しめる場所を目指し奮闘してきた」と話している。

ユニバーサルビーチは海水浴場の開設中常設され、毎年多くの障害者とその家族が利用している。障害者専用の更衣室や駐車場、車椅子の預かり所などを設置するほか、車椅子が海辺まで移動しやすいように総延長50メートルの木製スロープを設ける。凹凸のある道や砂浜での走行が可能な水陸両用車椅子を貸し出すサービスも実施。常駐する同クラブのライフセーバーが案内する。

利用には会員登録が必要で現在1585人が登録。「当初は100人ほどの登録を予想していたので想定外。10年、20年と通うリピーターも多い」(足立代表)。

海水浴イベントが同所で5日に開かれ、都内から招待されたダウン症の子どもとその家族や、町内在住の障害者など計70人が参加した。子どもたちは「砂が熱い」と笑顔を見せ、押し寄せる波を飛び越えると大きな歓声を上げた。シーカヤックや宝探しを楽しんだ他、ハマグリの入ったうしお汁も振る舞われ、海の恵みを五感で堪能した。

東京から訪れた鈴木早苗さん(67)は「一般の利用者と区画を分けているので安心して利用できる。クラブとのつながりもあって毎年来たくなる」とほほ笑んだ。

足立代表は「夢は利用者の子どももビーチで遊ぶこと」と長い世代にわたって利用できるユニバーサルビーチにしていきたい考えだ。

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