浦和が「無い」と語った暴力行為や破壊行為が発覚、JFAの調査結果を受け声明…1名は過去にも暴力行為や違反行為

[写真:Getty Images]

浦和レッズは16日、天皇杯ラウンド16の名古屋グランパス戦で発生した浦和サポーターによる違反行為の続報を発表した。

事件は8月2日にCSアセット港サッカー場で行われた第103回天皇杯ラウンド16で発生。試合は3-0で名古屋が完勝。アウェイで敗れた中、試合後にピッチに乱入。名古屋のゴール裏に迫る姿が確認され、名古屋のスタッフや警備員だけでなく、警察までも出動する事態となっていた。

この件で浦和は77名に対して処分を発表。さらに、田口誠 代表取締役社長、須藤伸樹 マーケティング本部長が出席し会見を実施。「暴力行為はなかった」と明言したことで、騒ぎが大きくなっていた。

浦和は10日に競技運営部門がJFA様からの招集を受け、映像を用いた事実確認の結果報告を受けたとのこと。JFAが入手した映像を用いて確認し、新たな違反行為が複数確認。処分内容を双方協議したという。

JFAによる映像確認の結果、浦和がないとしていた暴力行為や威嚇行為、破壊行為などが確認された。

・暴力行為(警備員を押し倒したり、相手サポーターの胸倉を掴むなどの行為):12件

・威嚇行為(相手ゴール裏付近で罵声を浴びせたり、挑発するなどの行為):6件

・危険行為(ペットボトルの投げ込みや、相手ゴール裏に侵入するなどの行為):8件

・破壊行為(緩衝柵を破壊するなどの行為) :12件

・その他違反行為(相手サポーターの横断幕を破損させようとする行為):2件

なお、25名程度が関わっているとされ、この件は引き続き調査を行っていくという。なお、新たな処分などは現時点では決定していない。

また、クラブは今後の対応方針を発表。クラブの対応について多くの意見、叱りを受けているとし、ガイドラインのみに即して罰則を課すという基準を改めるべきという意見が大半を占めているという。

加えて、違反者の1名は、過去にも暴力行為や違反行為を行い、入場禁止処分を受けていたことも判明。クラブとしての認識の甘さが露呈した形となった。

「本事案は、これまで先人が紡いできた日本サッカーの歴史に泥を塗る愚行であり、これまで多くのサッカー関係者やファン・サポーターのみなさまの努力によって形成されてきた、スタジアム観戦への好意的なイメージを傷つけてしまったことはサッカー界、スポーツ界に身を置く者として痛恨の極みでございます」

「当然のことと承知しておりますが、本事案の発生を受けまして多方面からご意見、お叱りを頂戴しており、その多くは発生した違反行為へのクラブの対応に関するものでした」

「具体的には、ガイドラインのみに即して罰則を科すという従前からの処分基準を改めるべきというご指摘が大半を占めており、弊クラブ内からも同様の意見が多く挙がっております」

「私ども浦和レッズは、おひとりでも多くの方に浦和レッズを好きになっていただき、応援する楽しみを提供していきたいと考えておりますが、そのためにはクラブとしての姿勢、行動を点検、改善し続けていくことが必要であり、今後に向けて浦和レッズは、処分の厳罰化を始めとした違反行為への処分基準の見直しを行うことが必須であると考えております」

「上記違反行為者のうち1名は、過去において暴力行為などの違反行為を理由に入場禁止処分を受けていたことがクラブ内の記録から確認されており、そうした事実も重く受け止め、客観性、公平性、継続実現性の担保や法的根拠などを様々な角度から検証し、外部有識者の知見もお借りしながら新たな基準作りにスピード感をもって取り組んでまいる所存です」

「また、行為者への処分に加え、JFA様から弊クラブへの処分がおって通達されるものと理解しておりますが、そちらにつきましても厳粛に受け止め、再発防止への取り組みは勿論のこと、社内処分も含め誠実に対応していくほか、本事案の全容解明に向け、引き続きJFA様と積極的に連携してまいります」

「改めまして、今般の違反行為によりご迷惑をおかけした全てのみなさまに、心より深くお詫び申し上げます」

「浦和レッズといたしましては、ファン・サポーターのみなさまとの対話を重視する姿勢、社会の一員としての視点、そして違反行為への適時適切且つ毅然とした対応をもって、安全・快適で熱気ある満員のスタジアム作りに全力で邁進してまいります」

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