別府市出身の綾部さん、ニュージーランドで温泉地調査へ 文科省の留学プログラムに参加【大分県】

ニュージーランドへ留学する綾部希さん=別府市役所

 【別府】国と民間企業が共同で実施している留学プログラムに、別府市竹の内出身の綾部希(のぞみ)さん(21)=福岡市、九州大4年=が参加する。同市の姉妹都市、ニュージーランド・ロトルア市で4カ月間を過ごす。渡航後はロトルア市の温泉施設で勤務しながら、現地の利用者のニーズや温泉管理についてフィールドワークで調査する。

 綾部さんが参加する「トビタテ留学JAPAN新・日本代表プログラム」は、多分野で活躍する若者の育成が目的。文部科学省の主催で、渡航費や生活費を民間企業が支援する。

 綾部さんは大学で持続可能な開発目標(SDGs)を学んでいる。環境問題と経済を結びつけた研究をする中で、「温泉資源の使い方」や「温泉地の魅力をどう発信するか」に関心を持ったという。国のプログラムを知り、別府と同じ温泉地でもあるロトルア市で海外の状況を学ぼうと応募した。

 プログラムの応募者は全国の大学生約1300人。書類審査と面接では「訪日客の増加が域内消費の喚起につながる」とアピール。見事、合格した。

 渡航後はシェアハウスに入居する予定。皮膚の疾患、ぜんそく治療などに役立つサービスが人気の温泉施設に勤務する。業務の傍ら、有限な温泉資源を今後どう管理するのかを調べ、施設の利用客に温泉に入る目的や魅力を尋ねる。

 海外には日本に比べて高い利用料でも人気のある温泉施設がある。綾部さんは「ニーズが分かれば外国人を呼び込む際のヒントになる。海外で学んだ知識を還元したい」と話している。

 帰国後の進路は決めていない。「留学中にじっくり考える。大分がたくさんの人に注目される方法を見いだしたい」と語った。

     

<メモ>

 市文化国際課によると、ロトルア市はニュージーランドの北島にある人口約7万人の都市。別府市と同様に地熱を生かした温泉、泥湯、スパ施設がある。両市は1987年7月から姉妹都市を締結している。

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