玖珠町の小学生、中学生と苦手教科克服へ 夏休みにサポート受け交流も【大分県】

勉強の合間に一緒にゲームを楽しむ児童と中学生ら=玖珠町の小田小

 【玖珠】玖珠町内の小学生が、夏休み期間を利用して教科の苦手分野克服などを目指している。町教委の「学力向上ステップアップ事業」で、全6校の4~6年生が3~5日間、登校してドリルや宿題に取り組む。地元の中学生が教員と一緒に解き方のアドバイスや採点に当たり、サポートしている。

 町教委によると、事業は2010年度、県教委の学力向上施策の一環でスタート。全県の取り組み終了後も町教委の独自事業として続けてきた。5年ほど前から、各校を卒業した中学生を「サポーター」に任命し、後輩たちに指導してもらうようになった。

 小田小では7月下旬の3日間、同校の卒業生2人がサポーターを務めた。全校児童が11人と少ないため低学年も参加。勉強の合間には一緒にゲームを楽しんだ。夏休み終盤の今月下旬にも2日間、開催することにしている。

 3年の小関友登君(8)は「算数と国語の1学期の復習を頑張った。優しく、分かりやすく教えてくれるからちゃんとできている」とにっこり。くす星翔中1年の小渓来実さん(13)は「教えるのは大変だけど、楽しいしかわいい。ホッケー部の活動と自分の勉強も頑張りながら、また小学校に来たい」と話した。

 事業について、町教委教育政策課は「小学生は『先輩みたいになりたい』と身近な目標に出会えるチャンス。中学生にとっては教える喜びや難しさを経験でき、自分の学びの一助になる。双方にメリットがある」と強調。教員には卒業生の成長を見られる場となっており、「夏休みの恒例行事として続けていきたい」と話している。

© 有限会社大分合同新聞社