「産女の幽霊」開帳 参拝客、紙芝居など楽しむ 長崎・光源寺

開帳された「産女の幽霊」の木像(右)や掛け軸の説明に聞き入る参拝者=長崎市、光源寺

 身ごもったまま亡くなった女性が、墓の中で赤ん坊を出産し育てたという民話「産女(うぐめ)の幽霊」が受け継がれている長崎市伊良林1丁目の光源寺(楠直也住職)で16日、幽霊の木像や掛け軸が開帳された。
 民話によると、女性は子どもを育てたい一心で幽霊となり、毎晩あめ屋に通って母乳の代わりにあめを与えた。墓を掘り起こして子どもを助けてくれたあめ屋への恩返しのため、水の湧く場所を教えたという。
 像と掛け軸は寺の宝物庫に収蔵され、毎年8月16日のみ開帳される。この日は子どもたちら参拝客約400人が訪れ、紙芝居を楽しんだり、あめをもらったりした。
 参加した市立西町小3年の深堀琉惟君(9)は「幽霊の像は怖かったけど、頑張って赤ちゃんを育てたのはすごい」、同、岩本亜湖さん(8)は「幽霊が赤ちゃんのためにあめを買っていたのがいい。自分のお母さんも自分のことを優しく育ててくれている」と感想を話した。

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