盛岡市の送り盆行事、盛岡舟っこ流し(協賛会主催)は16日、同市仙北の明治橋付近の北上川で行われた。約300年続く伝統行事。市民は大切な故人や先祖を思い、川面を赤く照らす精霊舟を見送った。
蒸し暑さが残る夕方、千羽鶴や戒名で飾られた手作りの精霊舟を住民らが担ぎ、北上川に流した。爆竹の音を響かせ、勢いよく燃え上がる舟を両岸に詰めかけた見物客が見つめた。
市内の町内会など10団体が参加。担ぎ手を務めた同市清水町の会社員田口武雄さん(51)は「同僚に誘われ、初めて参加した。川底が見えず想像以上に歩きづらかった。伝統をかみしめながら舟を引いた」と充実感に浸った。