台風15号による環境変化で体調悪化 死亡した3人を静岡市が災害関連死として初認定 死因は持病の悪化やストレス

2022年9月の台風15号で、浸水などの甚大な被害を受けた静岡市は、災害による環境の変化により体調が悪化し死亡した3人について、災害関連死として認定しました。

静岡市は、2022年9月の台風15号により、浸水などの大きな被害を受けましたが、死亡した人は確認されていませんでした。

静岡市にはこれまで、被災や避難によるストレスなど、間接的な要因によって亡くなる災害関連死の申請が4人の遺族から出されていました。このうち3人について、静岡市は災害関連死として認定しました。いずれも清水区で、80代の女性2人と、70代の男性1人です。

80代の女性のうち1人は、断水時によるトイレの使用を制限したり、水分補給を控えていたりした状況から持病が悪化し、死亡に至ったと解釈し、災害が原因で死亡したと認められました。

また、もう1人の80代の女性は持病はありませんでしたが、被災の翌日に死亡していることから、災害による生活環境の変化が身体的・精神的負担によって招かれたものだし、災害関連死と認定しました。

70代の男性は、遺族の意向により死亡に至った経緯については非公表としていますが、災害が原因で死亡したことが認められたということです。

このほか、清水区の80代の男性の遺族からも申請がありましたが、災害による死亡の原因となる病気や基礎疾患の悪化は医学的に確認することができず、被災から3か月後に死亡していることなどから、災害が原因で死亡したものとは認められませんでした。

静岡市では、医師や弁護士など7人で構成する審査委員会を設置し、関連死の妥当性を審議してきました。静岡市で起きた災害で、災害関連死として認定されるのは今回が初めてだということです。

遺族には、災害弔慰金として、最大500万円が支給されます。

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