石川の夏に胸膨らませ ジャパンテント開幕 

受け付けを済ませ、多彩な文化の体験を心待ちにする留学生=17日午前9時10分、北國新聞赤羽ホール

  ●日本舞踊、西川家元が「連獅子」

 「第36回JAPAN TENT―世界留学生交流・いしかわ2023」(同開催委員会主催、北國新聞社特別協力)は17日、「ふるさと愛」をテーマに3日間の日程で開幕し、41の国・地域の留学生約120人が石川の文化体験へ胸を膨らませた。今年は4年ぶりにホームステイを再開し、金沢など11市で多彩なプログラムを実施する。17日午前は金沢市の北國新聞赤羽ホールに参加者が集い、日本舞踊を鑑賞した。

 北國新聞赤羽ホールで午前9時から受け付けが始まり、留学生が続々と会場入りした。オリエンテーションの後は「夏期大学」が行われ、9月の金沢おどり(同実行委員会、一般財団法人石川県芸術文化協会、北國新聞社主催)で演出、振り付けを手掛ける日本舞踊西川流の西川千雅(かずまさ)家元が伝統芸能の世界を紹介した。

 西川家元は英語による説明を交えながら、ステージ上で自身の顔に隈(くま)取りを施す様子を実演し、勇壮に「連獅子」を舞った。留学生は間近で化粧の過程を見守り、西川家元の「メーキャップでは眉毛が一番大切です」「隈取りの赤い線は、ヒーローの意味があります」などの解説に熱心に耳を傾けた。

 ジャパンテントは新型コロナの影響で33、34回はオンライン、35回は北陸三県の留学生のみが参加した。今年はホームステイが2泊3日の日程で復活し、伝統工芸体験や地元企業の訪問など、石川の魅力を体感するプログラムを展開する。

 インド出身のダマラトナ・ガイクワドさん(28)=国際大2年=は「ホームステイで日本人の生活習慣を知るのが楽しみ。一緒にすしやラーメンを食べたい」と期待を込めた。エジプトから留学しているクシヤンイ・ブラヒムさん(38)=政策研究大学院大3年=は「ホストファミリーと観光地以外の場所に行って、地域の良さを知りたい」と笑顔を見せた。

 17日は午後に歓迎式典が行われ、県内11市でホストファミリーと対面する。18日は各地で体験プログラムに参加し、最終日はジャパンテントについて考えるフォーラム、さよならセレモニーが行われる。

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