文科省「地域枠」で教員確保支援 大学と教委連携、地元定着を促進

文科省による「地域枠」支援のイメージ

 文部科学省は、特定地域の教員を目指す「地域枠」を教員養成系大学・学部が入試で設け、教育委員会と連携して教員確保に取り組むことを支援する方針を固めた。教員志望者が減少する中、地元に定着する人材を確実に確保し、教員不足解消につなげたい考え。来年度から開始するため、24年度予算案の概算要求に必要経費を盛り込む。関係者への取材で17日、分かった。

 大学入試の地域枠は、卒業後の特定地域勤務を条件とする医学部で実施されている。教員養成系の場合、一部の大学が特定の都道府県や地域の教員になることを前提として、総合型選抜(旧AO入試)や学校推薦型選抜(旧推薦入試)で行っている。

 現在は教員にならないケースがあるが、文科省は、大学と都道府県教委が一体となってカリキュラム運用から採用まで取り組むことで定着が進むとみている。大学は国公私立を問わない。

 具体例としては、教委の幹部級職員を客員教授として大学に派遣したり、学生に学校現場で多様な経験を積ませたりして、地元の教育の実情や課題を在学中から把握してもらう。

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