複数生徒の評定誤る 茨城・水戸市立中 校長、報告せず

水戸市役所=同市中央1丁目

茨城県水戸市教委は17日、市立中1校で、2022年春に卒業した複数の生徒の評定に誤りがあったと発表した。このうち1人は高校入試の志願先に提出されていた。市教委が7月、同校卒業生全員を対象に調査書の評定データを調査。校長が誤りの可能性を認識しながら、市教委への報告を怠っていたことも明らかにした。

市教委によると、同校では複数のクラスで評定に誤りがあった。高校入試で志願先に提出する調査書を作成する際は内容をチェックしてから提出する決まりだったが、生徒1人のチェックが漏れ、誤った内容の調査書が送られた。

この生徒は3月、通知表を受け取った際、評定の誤りに気付き、学校側は通知表を訂正。だが、志願先に提出した調査書については、校長が「合格発表の数日前で訂正は難しい」と市教委に報告せず、元データも訂正していなかった。

市教委は、誤記載があった中学校名などを明らかにしていない。志望先の高校が訂正した調査書を基に再判定したところ、合否に変更はなかったという。

短期留学を予定していた別の生徒が7月、成績証明書を受け取った際、保護者が評定の誤りに気付いて発覚した。

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