〈ジャパンテント〉「一緒にふるさと学習」 4年ぶりホームステイ

髙桑さん一家と団らんするサントスさん(手前右)=津幡町太田

  ●ホスト家族と留学生 食卓囲み「お国自慢」

 「この日を待ってた」「いろんな場所に連れて行ってあげたい」。17日に開幕したジャパンテントは4年ぶりにホームステイが復活し、交流を心待ちにしていたホスト家族からは喜びの声があふれた。食卓ではお国自慢の話題に花が咲き、早速、街歩きを楽しむ家族も。石川に興味津々な留学生らを迎えた家族は「一緒にふるさとを学び直したい」と、故郷の魅力再発見へ気持ちを新たにした。

  ●「特別な縁ができ幸せ」 津幡でサントスさん 

 津幡町太田の会社役員髙桑由樹さん(39)方にはフィリピン出身のライゴ・アンソニー・アレクンス・サントスさん(25)=新潟医療福祉大博士課程1年=が訪れ、妻の映莉子さん(40)の手料理を囲み、髙桑さん一家や親戚と楽しく団らんした。

 初めてホスト家族として参加した髙桑さんは、夕食前に長男一綺君(10)、次男幹君(8)とサントスさんを連れて石川県立図書館やひがし茶屋街へ。「子どもたちにとって国際交流はもちろん、石川のことを知るいい機会。18日はみんなでバーベキューをしたい」と話した。

 髙桑さん一家から「トニー」の愛称で呼ばれるサントスさんは「ホームステイは旅行と違い、特別な縁ができるのが幸せ。短い間だけど、家族の一人のようになれるのがうれしい」と声を弾ませた。

 留学生を受け入れるのが10回目となった金沢市の自営業西田達夫さん(65)は「(ホームステイ再開は)待っとった!って感じ。まずは留学生の不安を解消してあげたい」と笑顔。西田さん方で寝泊まりする中国出身のキュウ・イクさん(25)=富大修士課程1年=は「西田さん夫婦を日本のお父さん、お母さんだと思って楽しい3日間を過ごしたい」と話した。

 同市の主婦高畠沙那(しゃな)さん(28)は5回目のジャパンテント。「夜は手持ち花火をする予定。自分自身も留学生の国の文化を学ぶきっかけにしたい」と意欲満々。高畠さん方でホームステイするユン・スミンさん(21)=韓国出身、清泉女子大3年=は「会ってすぐに優しく接してくれて緊張が解けた」とうれしそうに語った。

  ●首相がメッセージ

 金沢市の北國新聞赤羽ホールで行われた歓迎式典では岸田文雄首相のメッセージが披露された。岸田首相は「石川には伝統的な文化や歴史、豊かな自然がある。石川の地域の方々に息づくふるさとの心に触れ、石川を拠点に日本への理解を深めてほしい」と述べた。政府として留学の促進に取り組んでいることにも触れ「学生ボランティアの皆さんには世界に飛び立つきっかけにしてほしい」とした。

岸田首相から届いたビデオメッセージ=北國新聞赤羽ホール

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