北上市職員が契約書偽り発注 支払い1千万円遅れ、処分へ

 北上市は17日、道路環境課の主任級30代男性職員が、上司の決裁のない改ざんした契約書を業者に示して業務を進めさせた上、約1千万円の代金支払いに応じていなかったと発表した。業者に今月謝罪し、全額を支払った。事実関係を精査し処分を検討する。

 市によると、不適切な事務処理があったのは、市民がネット上で除雪車の位置を把握できる除雪管理システムの更新業務。2022年度当初予算では事業費634万円だったが、昨年9月の再見積もりで1001万6600円に膨らんだ。

 発注できない状況になったが、職員は同11月に作業を進めるよう業者に口頭で指示。その後、過去の文書の押印欄を貼り付けて改ざんした契約書の写しを業者にメールで送付した。

 予算確保しないまま、システムは12月に稼働。今年4月に業者から請求書が届き、6~8月に計4回督促があったが、対応しなかった。今月9日に業者から上司に電話が入り発覚。市の聞き取りに職員は「早く進めなければならず、誰かに相談すべきだったが言い出せなかった」と話した。現在は自宅待機している。

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