児童養護施設で少女3人がわいせつ被害 「母親らが再発防止訴える」栃木県に要望書提出

 栃木県の東部の児童養護施設で入所者の女の子3人が、同じ施設の少年からわいせつな行為をされていたとして、女の子の母親らが17日、県に対し再発防止などを求めて要望書を出しました。

 会見した母親と代理人の弁護士によりますと県の東部にある児童養護施設の小規模グループケア施設で、この母親の当時小学2年生の次女を含む少なくとも3人の女子児童が2020年4月頃から翌2021年7月頃までの間、一緒に暮らしていた高校生の男子生徒からキスや体を触られるなどのわいせつな行為をされたとしています。

 2年前の3月頃、女子児童と男子生徒がズボンを履いていなかったと職員に報告があり、その後の調査で発覚したということです。母親へは去年(2022年)3月に児童相談所から初めて報告がありましたが、被害があった詳しい日時などを教えてもらえなかったため警察に被害届を提出できていないということです。そして、被害の状況を聞くことを児童相談所から禁止されていて、今年(2023年)4月に選任された代理人弁護士が面談を求めても拒否されているといいます。そのため、県に提出した要望書でこの問題の調査を第三者委員会方式で行うこと、発覚した事実と再発防止策を公表し関係者に謝罪すること、男女別で共同生活をできるよう予算を確保することなど6項目を求めています。

 一方、とちぎテレビが施設側に取材したところ、この施設では国の方針に従ってできるだけ家庭的な環境にするため6人から8人の入所者が共同で暮らす「小規模グループケア」を採用していて、6カ所ある一軒家のような建物で性別や年齢を分けずに幼児から高校生までの約40人を預かっています。幼児以外は個室を用意し、今年度(2023年度)からは少女だけが暮らす建物を1カ所作りましたが男女別の兄弟がいたり、一緒に暮らす職員との関係性などを考えると単純に男女で分けることは難しいということです。

 施設長の男性は、「様々な事情があって親と暮らせない子どもを守るのが第一。プライベートに関わることなので話せない」とコメントしています。また、児童相談所や児童養護施設を管轄する県の子ども政策課の担当者は「要望書の中身を精査して今後の対応を検討したい」とコメントしています。

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