養護施設でわいせつ被害 女子児童の母親、県に調査など求める

女児がわいせつ行為を受けたとして、再発防止を訴える母親=17日夕、県庁記者クラブ

 栃木県内の児童養護施設に入所する小学生女児が同じ施設の男子高校生からわいせつな行為をされたとして、女児の母親(43)が17日、県庁記者クラブで記者会見し、再発防止策や詳細な調査などを求める「通知書」を、同施設を所管する県に出したことを明らかにした。

 母親の代理人弁護士によると、低学年だった女児は2020年4月から21年7月ごろの間に複数回、施設内で男子高校生からキスや胸を触られるなどのわいせつ行為を受けたとされる。

 母親は22年3月、施設側から概略の説明を受け、事案を把握した。ただ詳しい内容の説明はなく、弁護士も女児への聞き取りができていないと主張している。

 また弁護士は、同じ男子高校生から、他にも施設の小学生女児2人がわいせつ行為を受けたとしている。

 母親側は17日までに、福田富一(ふくだとみかず)知事宛てに通知書を発送。外部の専門家らによる事案の調査、代理人弁護士による被害女児への聞き取りの実施、児童養護施設を男女別にするための予算確保など6項目を要望した。記者会見で母親は「事実関係をはっきりさせ、二度と同じことが起こらないよう再発防止を徹底してほしい」と訴えた。

 県こども政策課は、事案を把握し調査したとした上で、「被害児童のプライバシーや将来を考え対応している。調査内容は明らかにできない」としている。

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