県立高再編に疑問の声も 県内8カ所345人参加、説明会終了 意見踏まえ、年内にも正式計画

宇都宮市で開かれた県立高校再編計画案の説明会。県教委は8カ所で説明会を開き、さまざまな意見が聞かれた=7月下旬、県総合教育センター

 第3期県立高校再編計画案について、県教委は15日までに県内8カ所での地区別説明会を終え、延べ345人(オンラインを除く)が参加した。3校が統合し市内に高校が1校のみとなる日光市の会場では最多の84人が参加。2校の統合により介護福祉科が廃止となる真岡市では「なくさないでほしい」と切実な声が相次いだ。県教委は県民からの意見を踏まえた上で、年内に計画を正式決定する方針。

 地区別説明会は7月下旬から今月上旬にかけて開催。2024年度から6年間で、職業系高校など9校を統合し、複数の専門学科を併置した「未来共創型専門高校(仮称)」を鹿沼、栃木、真岡、那須塩原に計4校設置する案などを説明した。

 日光は小規模特例校の日光明峰と今市、今市工業が統合対象。説明会には保護者や卒業生らが詰めかけ、「県央の高校へ子どもが流れないようにする方法はないのか」「工業高と普通高の統合は難しい」と統合案への疑問の声が上がった。

 真岡では真岡北陵、真岡工業の統合に伴い、介護福祉科の募集を停止。同じ芳賀地区内にある益子芳星に福祉コースを導入する。同科では介護福祉士の受験資格を得られるのに対し、同コースは基本的な技術や知識を身に付ける「介護職員初任者研修」の修了資格取得を想定している。

 介護福祉関係者からは「高齢社会を支える現場として困惑する」「介護福祉士と初任者では給与が異なる。(卒業後の)所得差を生む」などと懸念が相次いだ。

 栃木、鹿沼両市の会場では「現在の学校にある特色あるコースは統合後にどうなるのか」など専門性の維持に関する質問が上がった。

 県教委は21日までパブリックコメント(意見公募)を実施しており、担当者は「意見を参考に、市町からの要望なども踏まえて検討したい」としている。

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