きもの装いコンテスト 松橋さん(青森・八戸市)「カジュアルの部」最高賞

カジュアルの部で最高賞を獲得、出場した南部紫紺染の着物で写真に納まる松橋さん

 「2023日本の心と美の祭典 きもの装いコンテスト きものフェスティバル世界大会」(8月6日、東京・浅草公会堂)の「カジュアルの部」で青森県八戸市の会社員松橋知実さん(34)が最高賞を獲得、他部門と合わせた総合で「装いの準女王」に輝いた。松橋さんは「初出場で思いがけず最高賞となりうれしい。着物は製造から販売、着るまで多様な工程があり、人と人をつなぐ架け橋のような存在。着物の文化を伝え、継承する一翼を担いたい」と話している。

 コンテストは全日本きものコンサルタント協会が主催し、装いや容姿、立ち居振る舞い、気品などを審査する。今年3月開催の東北大会など全国6地区で行われた大会の上位入賞者がエントリーした。

 松橋さんは、季節や年齢に合わせた着物と帯を選ぶセンス、帯締めなどの技術が問われるカジュアル部門に出場した。舞台上で鏡を見ることなく一人で着付けを行う1次審査を通過。8人が出場できる2次審査のスピーチでは、着用した南部紫紺染の工房に行って作り手から話を聞いたことなどを紹介し「日本の風土と歴史に育まれ、伝えられてきた知と技に感動した」「『きものコンサルタント』の資格を取得し、多くの方々に着物の素晴らしさを伝えていきたい」と発表した。

 八戸市の文化教室で小笠原洋子さんから装道を学んでいることが「普段の生活にも生きてくる」と松橋さん。同市の呉服店「むらかね」(村井吉紹=よしつぐ=代表取締役)の社員として働いており「来店客や友人への着付けをしっかり行えるようさらに技術を磨き、着物に興味を持つ人を増やしていきたい」と抱負を語った。

 コンテストは全6部門で行われた。青森県の上位入賞者は次の通り。

 ◇振袖の部2位 小田島憂樹菜(十和田市)
 ◇留袖の部2位 今井千咲智(平川市)
 ◇カジュアルの部2位 田村莉菜(十和田市)
 ◇外国人の部3位 アン・コー(弘前市)

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