別府市の加来さん、放置竹林からメンマ商品化 ブランド設立、新名物目指す【大分県】

「ベップ・クラフト・メンマ」を考案した加来千織さん=別府市駅前本町のオフィス&サカバフッド
7月下旬から販売を始めた「ベップ・クラフト・メンマ」

 【別府】別府市の起業家・加来千織さん(23)=駅前本町=が、県内の放置竹林から収穫した竹を加工しメンマを商品化した。商品名は「ベップ・クラフト・メンマ」。地滑りなどの竹害を防ぎながら、新名物にすることを目指す。加来さんが設立したブランド「ベップ・クラフト」の通販サイトで7月下旬から販売している。

 加来さんは今春まで立命館アジア太平洋大(APU)に在籍。竹害を含む環境問題を学んだ。卒業後、ボランティアとして県内の農家の竹林を整備する中で、メンマ製造が放置竹林対策に役立つと知り、商品開発に挑戦した。

 メンマにできるのは発芽して2~3カ月ほどの若い真竹やモウソウチクで、春から初夏にかけてが収穫のピーク。挾間町(由布市)の農家と契約し、材料の竹約30キロを仕入れた。収穫作業には同大の学生ボランティア5人が参加した。

 収穫した竹は、業務用メンマ製造のタケマン(福岡県糸島市)へ送って塩漬けなどに加工。味付けにはフジヨシ醬油(別府市光町)の「カトレア醬油」を使った。

 加来さんは「来年もメンマ作りをして地域課題解決に貢献したい。農家と学生が交流し、新しいアイデアが生まれる場にもなれば」と意気込む。

 1袋(100グラム)980円。しょうゆ味は現在、売り切れており、今月末に再入荷する。今後、ゆずこしょう味も販売する予定。

<メモ>

 県林産振興室によると、県内の竹林は2022年3月末時点で約1.4万ヘクタールと全国で2番目に多い。所有者の高齢化などにより全県で放置竹林化が進んでいる。

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