長岡(山形商)圧巻、寄せ付けず インターハイ、競泳女子100背

〈競泳女子100メートル背泳ぎ決勝〉優勝した長岡愛海(山形商)=北海道立野幌総合運動公園プール

 全国高校総体(インターハイ)第28日は18日、北海道立野幌総合運動公園プールなどで4競技が行われた。競泳の女子100メートル背泳ぎは長岡愛海(あいみ)=山形商=が1分1秒01で優勝した。長岡は1年時にもインターハイで同種目を制しており、2度目の頂点に立った。

「ライバルに負けたくない」

 【ヒロイン】同世代のライバルに負けたくない―。競泳女子100メートル背泳ぎの長岡愛海(山形商)は、その一心で実力を発揮し2位に0秒74差を付けて栄冠を手にした。緊張と高揚を感じるレースで「できる限りのことはできた」と喜んだ。

 1年時に同種目を制覇。昨夏は世界ジュニア選手権に出たため出場は2大会ぶりだ。国際舞台で経験を積んだ3年生も、気が引き締まる舞台。これまでも競ってきた選手たちとの戦いに「相手の戦法も知っている。自分の戦法も知られている。国際大会とは違った緊張感があった」。

 予選直前にキャップが破け動揺し「集中できなかった」という。いつも通りにと自らに言い聞かせ、1分2秒79の全体7位で突破した。

 迎えた決勝は前半50メートルのラップタイムを29秒台半ばに設定。「前半はスピードを生かし、後半は粘る」。50メートルをトップで折り返した。ターンからの浮き上がりで加速を意識し、残りもストロークのテンポを落とさないよう努めた。終わってみれば、1レーンから他を寄せ付けない圧巻のレースを見せた。

 「おめでとう」。それでも順位が分かったのは、ライバルの一人で隣のレーンだった弘中花音(大阪・四條畷学園)からの祝福だったという。タイムは1分1秒01。「予選が良くなかったので優勝できるとは思っていなかった。実感が湧き、うれしかった」。

 2024年のパリ五輪出場を見据える17歳。1分0秒台の壁を破ろうと試行錯誤を続けるさなかで、自己ベストの1分0秒92を切れず悔しさものぞかせた。19日には200メートル背泳ぎに出場する。「表彰台にまた上り、自己ベストを更新する」。そう話す口調は力強かった。

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