漁港に建設中のシャワー施設…実は無許可 沖縄県が撤去求める 宮古・佐良浜

 【宮古島】東京都の民間事業者が県有地の宮古島市伊良部の佐良浜漁港に無許可で工作物の整備を進めていたことが18日、分かった。事業者は必要な占用許可の申請を沖縄県に提出しておらず、県は7月26日付で工事を中止し工作物を撤去するよう注意した。県との調整に関わっていた伊良部漁協の伊良波宏紀組合長は15日付で組合長を辞任した。

 伊良波氏は琉球新報の取材に「理事会に対する説明が不十分だったこともあり、責任を取って辞任した」と説明。無許可の工事については「事前に県の担当者に確認したら、土地の使用手続きと施設整備を同時進行しても大丈夫との返答があった。県が撤去を求めていることに驚いている」と語った。一方、県の担当者は「占用許可がないと工事はできない」と強調し、伊良波氏の主張を否定した。

 工作物はマリン事業者や利用客などが使うシャワーやトイレを兼ね備えた施設を予定していた。

 県や漁協関係者によると、工事は7月初旬から始まり、県は同月18日に工作物の整備を把握した。5月ごろ、工作物の図面を持った伊良波氏が県宮古農林水産振興センターの担当者を訪ね、相談していたという。

 14日に開かれた漁協の理事会では、占用許可を得ずに工事を進めていることについて、複数の役員から伊良波氏に指摘があったという。

 同漁協は18日、理事会を開き、新組合長に川満友博氏(41)を選任した。

(友寄開)

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