山口県上関町の西哲夫町長に問う「原発の使用済み核燃料搬入」 中間貯蔵施設建設に向けた調査容認受け

福井新聞のインタビューに応じる山口県上関町の西哲夫町長=8月18日、同町役場

 中国電力と関西電力が共同開発を目指す原発の使用済み核燃料の中間貯蔵施設建設に向けた調査を容認した山口県上関町の西哲夫町長が8月18日、同町役場で福井新聞のインタビューに応じた。⇒西町長「永久化せぬ確約必要」

 西町長は「まだ調査を受け入れた段階」とした上で、仮に施設が建設された場合に関電の福井県内の原発から出る使用済み核燃料が搬入されることについて「中国電(の使用済み核燃料)ならいい、関電はだめだというような色分けはしない」と述べた。

 上関町で中間貯蔵施設が実現した場合、関電の使用済み核燃料の貯蔵量が中国電を上回る可能性がある。西町長は「どの使用済み核燃料も、きちんと冷やしてキャスク(金属製容器)に入れて保管されると聞いている。関電の使用済み核燃料を(施設貯蔵容量の)何割にしろなどと、われわれが言う立場ではない」とした。

 調査が完了し建設可能となれば、町として改めて建設について受け入れるかどうかを判断することになる。「施設概要や運営方針などはきちんとまた議論する場を設け、町民の話を聞いて判断することになる」と強調。施設規模や使用済み核燃料の貯蔵容量などについて中国電は明らかにしていないが、青森県むつ市にある中間貯蔵施設と比較し「むつ市のような大規模なものはおそらく無理だろう」との見方を示した。

 関電が年末を期限に福井県と中間貯蔵施設の県外計画地点提示を約束していることについては「耳には入っているが、他県のことは答える立場にない」と述べるにとどめた。

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