“海の貴婦人”と呼ばれる練習帆船「海王丸」 100回目の神戸寄港、歓迎放水も 兵庫

消防艇の歓迎放水を受け、入港する海王丸=神戸港

 大型練習帆船「海王丸」が19日、神戸港に入港した。2代目の船体として、1989年の初入港から34年で100回目の寄港となる今回。大勢の人々が集まり、遊覧船などで出迎えた。

 海王丸は、独立行政法人海技教育機構が船員を育成する航海実習用の船で、2代目は同年3月に進水した。全長110メートル、マストの高さ44メートル、2556トン。白い帆を広げ、波間を涼しげに進む姿から、「海の貴婦人」とも呼ばれる。今回は、東京海洋大学(東京都)の実習生ら約100人が約1カ月航海しており、神戸港は最終目的地だった。

 節目となる今回の寄港では、海上から間近に「貴婦人」を出迎えてもらおうと、神戸市と神戸観光局が特別クルーズを企画。遊覧船「boh boh(ボーボー)KOBE」に、市内外から抽選で選ばれた親子連れら177人が乗船した。

 海王丸は午前9時半ごろ、神戸市消防艇が放水で歓迎する中、ゆったりと港内に入り、午前10時ごろ、高浜岸壁に着岸した。遊覧船の甲板に集まった人々は、「近くで見ると大きいね」などと言いながら、スマートフォンで撮影を楽しむなどしていた。兵庫県明石市の女性(40)は「優雅な船の進み方やマストのデザインに気高さを感じます」と話した。

 神戸市によると、海王丸は25日午後2時ごろには、再び同港から神戸大学や富山高専(富山県)、尾道海技学院(広島県)などの実習生ら約80人を乗せ、静岡県の清水港に向かうという。(末吉佳希)

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