「3年かけず民政移管」を表明 ニジェール軍政トップ

19日、ニジェールの首都ニアメーに集まった軍政支持派の市民ら(ゲッティ=共同)

 【ナイロビ共同】クーデターを起こしたニジェール軍事政権トップのチアニ将軍は19日のテレビ演説で、「3年をかけず」民政移管を実施すると述べた。ロイター通信が伝えた。軍政を維持する意向を示したともいえ、バズム大統領への速やかな権力返還を求めている周辺国の反発は必至だ。

 19日には西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)の代表団が首都ニアメーを訪問し、チアニ氏らと会談した。ただ、演説により、政変前への状況回復を要求するECOWAS側と権力維持を図る軍政側の立場の隔たりが改めて露呈した形で、今後の交渉は難航が予想される。

 代表団は、軍政が追放を宣言し監視下に置いているバズム氏とも面会した。代表団は今月上旬にもニアメーに入ったが、この際はチアニ、バズム両氏と会えなかった。

 ECOWASはこれまで、軍事介入も辞さない構えで軍政に圧力をかけてきた。18日には安全保障を担当する委員会のムサ委員長が、軍事介入の「開始日を決めた」と発言。同時に交渉を優先する意向も強調し、軍政に態度軟化を促していた。

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