江戸・上方落語奥深い 「二刀流」柳家風柳さん、違いを実演し解説

新作の上方落語を披露する風柳さん=富山新聞高岡会館

 富山新聞文化センターの特別企画「柳家風柳のたっぷり江戸も上方も」は19日、富山新聞高岡会館で開かれ、江戸落語と上方落語の「二刀流」をこなす風柳さんが東西の違いを笑いを交えながら解説した。新作落語と上方落語も披露し、参加者約50人が日本の伝統芸能の奥深さに触れた。

 風柳さんは、江戸と大阪の土地柄が、落語の演じ方の違いにつながっていると指摘した。

 江戸では手間暇を取らせない文化が根底にあり、簡素な会話や食べ物が好まれると紹介。落語は座敷芸の一つとして発展し、芝居の要素が多く盛り込まれるとの見方を示した。一方、大阪では、会話をつなげて相手を楽しませる文化が根底にあるとし、路上での派手なパフォーマンスが上方落語に影響したと話した。江戸っ子がそばをすする様子と、大阪の住人がうどんを食べるしぐさも実演した。

 風柳さんの新作落語「彼氏代行」では、夫が妻の友人の彼氏役を頼まれ、北海道に住む友人の父親に結婚のあいさつを画策するやりとりを軽妙に演じた。上方落語「幸助餅」では、相撲好きが高じて借金した夫や、ひいきにしていた力士などを情感豊かに演じ分け、ユーモアと人情を表現した。

 真打の話芸を間近で聞いた太田小の吉本千早君(9)は「物語を想像して聞けて楽しかった」と笑顔を見せ、母の恭子さん(45)は「1人で何役もこなし、涙まで誘う話芸に感動した」と話した。

  ●くらふ亭勉強会審査員として出演

 柳家風柳さんは19日、高岡市金屋町の「「KOMBU HOUSE(昆布ハウス)」で開かれた「くらふ亭勉強会」にも出演した。

 昆布ハウスのオーナー・竹中志光さんが「くらふ亭こんぶ」、たかおか落語ふぁんくらぶの塚田高史会長が「くらふ亭つかちゃん」の名でそれぞれ講談を披露し、風柳さんが感想を語った。

上方落語と江戸落語の違いを学ぶ参加者

© 株式会社北國新聞社