「第36回JAPAN TENT―世界留学生交流・いしかわ2023」(同開催委員会主催、北國新聞社特別協力)は18日、2日目を迎え、金沢市内で伝統工芸の体験や食の魅力を知るプログラムが繰り広げられた。留学生は金箔(きんぱく)や加賀友禅の職人技に触れたり、大野しょうゆのソフトクリームを味わったりし、金沢の文化の厚みに感じ入った。
留学生は午後から4班に分かれ、「ジャパンテント夏期大学」として市内の4企業を訪問した。大野町4丁目のヤマト醤油味噌では、しょうゆを使ったソフトクリームを食べながら、しょうゆやみそ、酒など日本食に欠かせない発酵食に理解を深めた。ギリシャ出身のギゼリ・エレニさん(25)=文化外国語専門学校1年=は「初めて食べる味のソフトクリームにびっくり。日本酒は適度に飲めば体にいいと教えてもらい、勉強になった」と話した。
押野2丁目の北陸製菓を訪れた留学生は、菓子の歴史や製造過程に触れた。18日に誕生53周年を迎えたマスコットキャラクター「ビーバー」も登場し、一緒に写真を撮るなどして留学生を楽しませた。
専光寺町の化粧品メーカー「ケイズ」では、留学生とホスト家族17人が桜、ゆず、ヒノキをイメージした香りのハンドクリーム作りを楽しんだ。増泉4丁目の「茶菓工房たろう」にも留学生が訪れた。
午前は「ふるさと探訪」をテーマに、国立工芸館の見学の後、伝統工芸体験が行われた。幸町の今井金箔では、留学生13人が黒い台紙に金箔を貼って模様を描き出し、タンブラーに取り付けた。
加賀友禅染体験は加賀友禅会館で開かれ、参加者がハンカチに加賀五彩で好きな柄を表現した。県観光物産館では郷土玩具「加賀八幡起上り」に絵の具で顔や模様をあしらった。
昼食会場となった金沢東急ホテルでは留学生や学生ボランティアが、体験した伝統工芸のことやホームステイの話に花を咲かせ、記念撮影するなどして交流した。