「聖地巡礼」被災地へ 「スキップとローファー」の舞台

アニメの場面のモデルとされる旧蛸島駅ホームを見学するツアー参加者=珠洲市蛸島町

  ●能登すずなり、初のモニターツアー好評

 珠洲市ゆかりの漫画、アニメ「スキップとローファー」に描かれた場所を巡る初のモニターツアーが19日、同市内で行われ、全国のファン25人が主人公のふるさとのモデルとされる蛸島町などを回った。漫画やアニメの舞台になった場所を訪れる「聖地巡礼」は近年人気が高い。NPO法人・能登すずなりは今後もツアーを実施し、復旧が進む奥能登地震の被災地に人の波を呼び込んでいく。

 スキップとローファーは、射水市出身の漫画家、高松美咲さんの作品で、石川県から東京の高校に進学した主人公の学校生活がコミカルに描かれている。主人公の出身地は高松さんの母方の実家がある珠洲市がモデル、生まれ育った町は蛸島町をもじり「凧島(いかじま)町」と名付けられている。

 珠洲の風景や方言を使ったやりとりも登場し、能登すずなりが7月に能登空港発着のバスツアー参加者をインターネットで募ったところ、申し込みが殺到し、一夜で定員をオーバーする人気。急きょ第2弾を実施することも決まった。

 19日のツアーには、首都圏をはじめ、九州からもファンが参加した。ガイドの案内で漫画やアニメの場面のモデルとされる旧蛸島駅や蛸島町を回り、作品に登場した駅のホームや街並みを興味津々の様子でカメラに収めた。作品に登場するキャラクターと一緒に記念撮影できるAR(拡張現実)スポットの見附島(みつけじま)や鉢ケ崎海岸も訪れた。

 20日は木ノ浦海岸や塩田村など外浦地区の魅力に触れる。東京でイラストを学ぶ平山萌花(もえか)さん(27)=東京都豊島区=は原作のファンだといい、「現地に足を運ぶと作品の魅力がぐっと増す。漫画を読み返したくなった」と話した。

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