性的同意の認識相違を防ぐため、端末で性行為の同意確認を行える弁護士監修のアプリ「キロク」が、２５日のリリースを前にＳＮＳで注目を集めている。
マッチング事業などを手掛ける地方商社のアプリ「キロク」開発チームは、７月１３日から性犯罪に関する刑法改正に伴い、開発に着手した。同改正では「強制性交等罪」と「準強制性交等罪」が統合し、新たに「不同意性交等罪（刑法１７７条）」が新設。また、「強制わいせつ罪」と「準強制わいせつ罪」も同様に、「不同意わいせつ罪（刑法１７６条）」として新設された。
「不同意性交等罪」について、性交等をした時点で同意があったと思っていた場合でも、後から相手が「本当は同意していなかった」と申告することで、加害者として罪に問われる可能性がある。同意を証明するには「性的同意書」を準備する必要があるが、紙を出して記名・捺印の手順はその場の雰囲気を壊してしまったりと懸念の声が上がっている。
「キロク」では、手持ちの端末で”デジタル同意書”を発行できる。１８日までに発表された使用方法は以下の通り。
①アプリをダウンロード
②画面上の説明に沿って弁護士監修の法律条文に基づく注意事項を確認し【同意する】をタップ。
③位置情報をオンにし、ＱＲコードを読み取り相手と画面を共有
以上の手順で同意が取れるシステムとなっている。同意をした記録はアプリ内で蓄積され証拠として使用できるという。
また、過去に同意をした相手でも双方同意の上で何度もアプリ内でデジタル同意書を発行可能。弁護士監修中のため、訴訟リスクの軽減、保証担保ができるという。一方で、リリースには「必ずしも全ての行為が合法になるわけではありません」と注意もつづられている。
17日の夜からＸ（旧ツイッター）を中心に話題となった。ユーザーからは「双方を守るという観点からしたらいいアイデア」「絶対にダウンロードします」といった意見や「もし過去の同意履歴をみられたら恥ずかしいですね」「脅して同意にチェック入れさせたら無意味というかむしろ逆効果だと思う」など賛否の声が寄せられている。
（よろず~ニュース・松田 和城）
