紆余曲折を経てキャンパーが導き出した「海水浴でのベストなテント」とは?

こんにちは。海なし埼玉県民ながら、ひと夏に2回は海水浴に行くくにぱぐ(パギー)です。今回は、「キャンパー目線で考える最適な海水浴用テントとは?」という疑問にフォーカス。数年間試行錯誤を繰り返してみましたが、なんとか最適解めいたところには到達した気がしますので、これを記事にまとめてみました。

単なるポップアップ式テントより、もっと快適な海水浴テントを探してみよう!

※イメージ画像

海水浴で使うテントといえば、通常は画像のようなポップアップ式(収納袋から取り出すだけで自動的に開くタイプ)の簡易的なものが想像されます。

著者も昔はこうしたポップアップ式を使用していました。

ただ、キャンプをするようになり、たくさんのテントやタープに触れるようになりまして、「海水浴をもっと快適に楽しむためのテントってもっと他にないだろうか? 」という視点が生まれました。

この点について、数年間あれこれと試した結果を少しまとめてみようと思います。

もちろん海水浴用ですから、2ルームや大型ワンポールなど、キャンプ場で宿泊目的に使うテントの使用は想定しません。

フロア付きワンタッチテント → 利便性は高いが砂の後始末が大変!

筆者撮影

キャンプを始めた後の海水浴、その最初期に使っていたのは、DOD『ライダーズワンタッチテント』です。

著者はこのテントを、元々ソロキャンプやグループキャンプなどに使用していました。

こちらですが、なかなか海水浴でも利便性は高く、2点ほど海水浴向きな点があると思います。

フロア付きワンタッチテントのメリット

  • 紐を引くだけのワンタッチでほぼ完成。
  • 自立式でペグダウンが不要。

海水浴は長居したとしても半日程度ですし、通常のキャンプ用テントのように時間をかけて設営するのはナンセンスです(撤収だって大変です、暑いし)。

前室などは本来ペグダウンが必要ですが、海水浴では筆者はそれもしないので、1分あれば設営が可能です。重石には荷物でも放り込んでおきます。

※大きさ、重さによってはペグダウンが必要になる場合もありますので、メーカー仕様書を確認の上、使う環境に合わせ安全面に十分配慮してご使用ください。

背面のメッシュ窓からなんとか風抜けもしますので、割と快適は快適でした。

ただし、このようなしっかり宿泊もできるテントにはそれなりに問題もあるのです。

フロア付きワンタッチテントのデメリット

  • テント内に入ってしまった大量の砂の後始末が大変すぎる。
  • ある程度風抜けはするが、強い海風には不完全。
筆者撮影

海水浴だからテント内に砂が入るのは当たり前ですが、この画像を見ると分かる通り、入口は10cm程度の高さの壁になっており、入った砂を出すことが困難なのです。

「じゃあ洗えばいい」と思いますよね。

しかし、この壁は本来、雨水などの侵入を防ぐ目的のものですから、排水も同じように大変なのです。中に水を入れて砂を洗っても、うまく外に流しきれないため、何度も何度も洗うことになります。

もちろん洗ったあとはしっかり乾かさないといけませんし、ここまで本格的なテントは手間が大きいなと感じました。

また、ワンタッチテントはフレームがそこまで頑丈ではなく、背面のわずかな窓から風を逃がすだけでは、いつかテントが壊れてしまうという懸念もありました。

タープ → 気持ちの良さは最高ながら設営がやっぱりしんどい……

筆者撮影

タープを設営するというのもキャンパーらしいですし、見た目の派手さもあって、海水浴場では目立ちますね。

ワンタッチタイプのタープなら、大人数でのバーベキューを兼ねた海水浴などでよく使われますが、家族だけだとこれは少し雰囲気が違うかもしれません。

我が家はテンマクデザインのムササビウイングを使用しました。

設営は比較的しやすく、TC(ポリコットン)素材使用で、厚い幕で影がしっかりできるのが特徴です。

タープを海水浴で使う場合の利点ははなんといっても以下でしょう。

タープのメリット

  • 風抜けが気持ちいい。
  • 広い面積に完全な日陰ができる。

要するに「暑さを軽減することによる快適さ」という点は大きかったです。

一方で、デメリットもあります。

タープのデメリット

  • そうはいっても設営と撤収が大変。
  • しっかり設営しないとペグが抜けて飛んでしまい、危険。

少し前に「ムササビウイングは比較的設営が簡単」とは書いたのですが、それはキャンプだからであって、滞在時間の短い海水浴で使うには、やはりペグダウンはかなりの重荷になります。

しかも海は風が強く、しっかりとペグダウンをしないと、すぐにタープが風で煽られ、ペグが抜けてしまいます。抜けたペグはロープに結びついたまま風で振り回されるので、かなり危険です。

なお、砂浜では通常のペグはすぐに抜けてしまい、何の役にも立ちません。

そこで、こんなペグを使用します。

筆者撮影

厳密にはペグではなく、園芸用のプラスチック製商品です。

長く、太く、途中トゲが無数にあって、砂にしっかりと食い込みます。

砂浜に埋め込むにはペグと同じくハンマーが必要で、完全に地中に埋め込んでしまうと、抜けないどころかビクともしません。

ガッチリ固定されるため、回収するには周りを掘る必要すらあり、そうしないと途中でねじ切れて残骸が砂の中に残ってしまうこともあるので注意がいります。

つまり、こうした道具を使っても、ペグダウンがそうとうキツイのです。

もういっそ椅子だけ設営 → やっぱり暑い!

筆者撮影

若干余談めいた話なのでここは簡単に書きますが、いろいろと考えすぎて面倒くさくなってきたので、薄曇りの日を狙って「椅子だけ」というやり方もしてみました。

椅子だけ設営のメリット

  • 設営が簡単。
  • 天候がマッチすれば快適。

これも快適は快適なのですが、薄曇りとはいえやはり暑かったですし、天候を選ぶやり方もそもそもなんですが、あまりよくはなかったですね。

椅子だけ設営のデメリット

  • 天候によっては暑すぎて機能しない。

これにタープまで組み合わせたら快適さは最高でしょうが、面倒さもマックスだと思います。

なお、これにビーチパラソルを付けたらどうか、という事も考えましたが、ビーチパラソルの設営には大きなスコップが必須です。タープと手間はほとんど変わらないどころか、より面倒かもしれません。

【結論】悩んだ末の海専用ワンタッチテント → いいとこどりでこれはオススメ!

筆者撮影

今年になってようやく「これはいいな」と思えるものに出会いました。

それがこちらの海水浴専用ワンタッチテントです。

『Mansader 大型インスタントポップアップビーチテント』という商品名で、サイズは3種類あります。

著者が購入したのは最小サイズの2人用ですが、昼食の短時間でなら3人(夫婦と子ども)が座るぐらいはできました(昼食以外の時間は1人か2人かは泳いでいるはずなので、このサイズでも問題ないわけです)。

最初のDODのワンタッチテントと設営の方法は同じく、紐を引っ張るだけ。

ペグダウンしたり、砂をポケットに詰め込んで固定できます。

筆者の場合、重石代わりのテーブルを乗せてしまえばそれだけで設営完了という手軽さです。

筆者撮影

フロア部は完全な布一枚なので、砂が乗っても払うだけでよいのは大きいですね。

横から見るとひさしもかなり張り出していて、日陰がしっかりとできます。

筆者撮影

3つある大きなメッシュ窓には、日よけも兼ねた目隠しも付いています。

この目隠しはグロメットで留めるタイプ。ファスナーよりも故障が起こりにくいですし、割としっかり留めることができるので、これはこれでよいなと感じました。

風が強い時は窓をメッシュにして風を抜くことで、テントが壊れるのを防ぐ事ができます。

窓の面積は大きく、風の抜けは極めて良好です。

筆者撮影

天井にはランタン用のようなフックがありますが、さすがにランタンは出番がないでしょう。ここはハンディ扇風機などを吊るしておくと便利だと思います。

また、内側の壁にはスマートフォンや自動車のキーなどを入れておくのに便利なポケットも付いています。

機能面はしっかり「テントしているな!」という感じがありますね。

キャンパー目線で海水浴用テントを選ぶならこんなところに気を付けよう!

『Mansader 大型インスタントポップアップビーチテント』は、お値段が1万円程とそこそこ安く、それゆえなのか、フロア部分の薄さなどは若干気になります(砂の熱さがダイレクトに伝わるほど)。
しかし、海水浴という限定的な条件の中ではかなり使い勝手のよいワンタッチテントです。

この商品以外でも、形状として似たようなものは幾つかあるようでして、以下の点にポイントを絞って購入してみると、かなり快適ではないかと思いますよ。

  • 自立式のワンタッチ方式で設営撤収が1分程度でできる。
  • テント内に砂が入っても、後始末が簡単。
  • 日陰がしっかりとできる。
  • 風が抜ける構造になっており、耐風性能が高い。

参考になれば幸いです!

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