【マレーシア】23年成長率4~5%、政府が予測据え置き[経済]

マレーシア財務省は18日、2023年第2四半期(4~6月)の国内総生産(GDP)統計が発表されたことを受けて、23年の実質GDP成長率の見通しを4.0~5.0%に据え置いた。

マレーシア中央銀行が18日発表した第2四半期の実質GDP(速報値)は前年同期比2.9%増だった。伸びは第1四半期の5.6%から大幅に減速し、上半期(1~6月)全体では4.2%となった。世界経済の低迷による輸出不振が響いたが、内需は堅調に推移している。

財務省は、下半期(7~12月)も外需は地政学的な緊張やサプライチェーン(供給網)の混乱、インフレ対策の金融引き締め、主要国の経済成長停滞といった世界的な脆弱(ぜいじゃく)性の影響を受けると予測。一方で、アンワル・イブラヒム首相兼財務相は「内需は堅調に推移しており、経済政策に沿って認可済みの投資や政府事業の実施を促進していることから、23年の実質GDP成長率は従来見通しの4.0~5.0%を達成できる」と自信を示した。

アンワル氏は、6月のインフレ率が2.4%と5月の2.8%から低下したほか、失業率も6月は3.4%と5月の3.5%から改善し、新型コロナウイルスの感染拡大後で最低の水準を記録したことに言及。「世界経済が課題に直面する中、マレーシア経済はレジリエンス(回復力)を維持し、継続的に改善している」との見方を示した。

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