【香港】キャセイの7月旅客、前年同月の7.9倍[運輸]

香港の航空最大手キャセイパシフィック航空(国泰航空)が16日発表した7月の輸送実績は、旅客数が延べ174万4,374人だった。前年同月の約7.9倍で、前月比でも12.6%増加した。

劉凱詩(ラビニア・ラウ)最高顧客・商務責任者(CCO)は、7月は伝統的に夏休み観光の繁忙期の始まりだとした上で、香港市民のアウトバウンド(域外旅行)需要が力強かったことは喜ばしいとコメント。7月は前月比で輸送力を11%増強したと明らかにし、特に北米線、欧州線、日本線、東南アジア線で旅行需要の拡大に応えたと説明した。7月の最初の2週間は、長距離便で特に友人・親族訪問(VFR)の乗客が目立ったという。

7月の貨物・郵便取扱量は前年同月比14.9%増の11万5,729トン。前月比では4.1%伸びた。

劉氏は、7月の輸送需要は6月とほぼ同様で、電子商取引(EC)関連の輸送が引き続き活発だったと説明。季節物の生鮮品の輸送も貨物量を押し上げたという。

■優先株に約3億HKドルの配当

キャセイは同日、香港政府が保有する優先株(議決権がない代わりに配当順位が高い株式)への新たな配当を14日に実施したと発表した。配当額は2億9,250万HKドル(約54億4,100万円)。

政府は2020年6月、新型コロナウイルス禍で打撃を受けたキャセイの経営破綻を回避するため、195億HKドル相当の優先株を引き受けた。同社は今年6月に15億HKドルの繰り延べ配当を政府に対して行っている。

キャセイは業績回復を受け、24年7月までに全ての優先株を政府から買い戻す計画を発表済みだ。

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