「クラシックの裾野広げたい」 「ガルガン」初のコンサート

オペラ「カルメン」の語りに合わせて演奏を繰り広げる出演者=北國新聞赤羽ホール

  ●赤羽ホール拠点アンサンブル

 北陸ゆかりの演奏家でつくる「ガルガン・アンサンブル」が20日、金沢市の北國新聞赤羽ホールを本拠地にしてから初のコンサートを同ホールで開いた。「音符と遊ぼう!とっておきの夏休み」(一般財団法人北國芸術振興財団主催、北國新聞社共催)と題し、子どもたちを無料招待したコンサートは、名曲の披露から楽器の紹介まで気軽にクラシックを楽しめる内容で、指揮した松井慶太さんは「裾野を広げていきたい」と精力的な活動に意欲を示した。

 コンサートは北國新聞創刊130年記念、北國新聞赤羽ホール開館15周年の事業として開催された。

 ガルガン名作劇場のオペラ「カルメン」では語りに合わせて楽曲を次々と展開。恋に奔放な踊り子カルメンや誘惑される純朴な兵士ドン・ホセ、闘牛士エスカミーリョの心情を表現した。トロンボーン奏者でラジオパーソナリティーを務める廣瀬大悟さんが語りを務め、情熱的な作品世界に聴衆を誘った。

 アンサンブルで使われる全13種の楽器を、動物にちなんだ曲を演奏して紹介する企画「楽器deどうぶつえん」のほか、クラリネットを解体しながら吹く、シュライナーの「だんだん小さく」なども披露した。

 指揮者体験コーナーもあり、松井さんの指導を受けた児童生徒3人が楽団員と呼吸を合わせてベートーベンの交響曲第5番「運命」を奏でた。

 ガルガン・アンサンブルは「いしかわ・金沢 風と緑の楽都音楽祭」(本社特別協力)を機に2021年に結成され、今年1月に赤羽ホールを本拠地とした。本番以外にもホールを使えるようになり、松井さんは取材に対し「全国的にも恵まれている。この環境を生かして作り込んだ楽しい企画を届けたい」と話した。

 松井さんは未就学児も入場できる公演を積極的に予定していくとした。今回の公演は文化庁の「劇場・音楽堂等の子供鑑賞体験支援事業」の助成を受けて開催された。

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