<金口木舌>公共交通のありがたさ

 子どもたちを自動車で送迎する時間帯は決まって交通渋滞が生じる。「送迎渋滞」とも呼びたくなる。夏休み期間中、この渋滞は幾分和らぐ。改めて県民の車依存を実感する

▼交通渋滞を緩和するには、公共交通機関の利用促進が最善であろう。ただ本県の場合、路線バスの定時性に課題が残る。通勤手段が車へと流れ、慢性的な渋滞が生じ、バス離れも進むという悪循環が続いてきた

▼最近は事情が変わってきた。交通バスロケーションシステムのおかげでバスの位置をスマホで確認できるようになった。経路検索もできる。使いこなせばバスは便利な乗り物であることに気付く。渋滞緩和の手段にもなる

▼今月で沖縄都市モノレールは開業から20年を迎えた。モノレールがなければ那覇市中心部の渋滞はもっとひどかった。公共交通のありがたさを実感する

▼交通渋滞の緩和には生活習慣の見直しも不可欠。過度な車依存から脱したい。たまには徒歩で子どもを学校に送ってみよう。フロントガラス越しでは気付かなかった風景にも出合えるはずだ。

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