佐世保で洋楽交え国籍超えた盆踊り 「させほ夏祭り」初開催 1万人来場

櫓を囲み、盆踊りを楽しむ来場者ら=佐世保市、佐世保中央公園

 長崎県佐世保市宮地町の佐世保中央公園で19日、させほ夏祭りが初めて開催された。会場中央に櫓(やぐら)が組まれ、子どもからお年寄りまで市民や外国人が浴衣姿などで詰めかけ盆踊りに参加。佐世保伝統の踊りのほか、外国人向けに洋楽の踊りもあり、国籍を超えて楽しんだ。
 公園を使ったまちづくりを考える市内の事業者らが実行委をつくり主催した。同市は米海軍佐世保基地を抱え「基地の町」とも呼ばれる。国際交流と日本文化の継承を目的に開いた。
 会場には屋台やキッチンカーなどが並び、延べ約1万人が来場した。地元の卸団地太鼓が演奏し、よさこいチームが演舞を披露した。
 盆踊りは、佐世保の盆踊り曲や炭坑節とともに、アニメのテーマソングや日本で1980年代にヒットした歌謡曲、米国の人気ロックバンド「ボン・ジョビ」の楽曲など計8曲に合わせて踊った。ちょうちんを飾り付けた櫓では、日本舞踊「藤間流」と「花柳流」の踊り手ら約50人が来場者に振り付けを紹介。来場者は見よう見まねで、手拍子をしたりかけ声を合わせたりしながら盆踊りを楽しんでいた。洋楽の音に誘われ、踊りの列に加わる外国人もいた。
 夫と2人で訪れた同市の主婦、山口逸美さん(62)は「年配の人から若者まで一緒に踊ったのは久しぶり。とても楽しかった。(佐世保伝統の盆踊りが)継承されていくのはいいこと」と笑顔を浮かべた。米海軍佐世保基地に勤める軍人のパーカー・シャープさん(27)は「日本の祭りに来たのは初めて。盆踊りは難し過ぎず、動きが格好よかった。ボン・ジョビの踊りも、日本の踊りと米国の音楽の文化が合わさって良かった」と話した。

音楽に合わせて盆踊りを楽しむ来場者

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