病気などで髪を失った子どもたちに医療用かつらを贈る「ヘアドネーション」に役立ててもらおうと福井県福井市の小学6年、松塚叶夢君が8月17日、丸刈り頭だった1年生からお尻まで伸ばした髪を切った。松塚君は「始めた時の気持ちはあまり覚えていないけど、達成感がある」と笑顔を見せた。
松塚君は、テレビで髪を提供した女の子のニュースを見て「自分も病気の子を助けたい」と決意。髪を伸ばす目標をクラス全員の前で宣言した。
髪が肩より伸びた3年生の時には、理由を知らないクラスの児童が、からかってくることもあった。担任教員がヘアドネーションについて説明し、理解を得るようになったという。
洗うのが大変でやめたいときもあったが、「少しでも長い髪を贈りたい」と我慢。その姿に家族も「根性があるな」と感心した。
この日、市内の美容室で約50センチの毛束4本を切った。母、祖母もはさみを入れ、「よく頑張った」とねぎらった。松塚君はバリカンでツーブロックになり「気持ちいい」と笑った。
⇒【写真】髪をばっさり切った松塚君
髪は、かつらを無償提供する大阪のNPO法人に届ける。松塚君は「病気と闘う人を少しでも元気づけられたらうれしい」と話した。