決勝レースで今季初完走のM.マルケス「もっと上を目指して努力を続けなければならない」/第10戦オーストリアGP

 8月20日、2023年MotoGP第10戦オーストリアGP MotoGPクラスの決勝がレッドブル・リンクで行われ、レプソル・ホンダ・チームのマルク・マルケスは12位、ジョアン・ミルはリタイアで終えている。また、アレックス・リンスの代役として参戦しているイケル・レクオーナ(LCRホンダ・カストロール)は20位でフィニッシュした。

 マルケスは予選Q2進出が叶わず、決勝では18番手と後方から巻き返しを図る形となった。タイヤ選択では、多くのライダーがフロントにハード、リヤにミディアムを選択するなか、マルケスのみが唯一リヤにソフトタイヤを選択していた。ドライコンディションで始まった決勝レースのオープニングラップで17番手につけ、巻き返しを図っていく。

 早々にチームメイトのミル、アウグスト・フェルナンデス(GASGASファクトリー・レーシング・テック3)を捉えて15番手に浮上する。その後も着実にポジションを上げ、残り7周で前を走るジャック・ミラー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)を仕留めて、12番手にポジションを上げ、最後まで守りってチェッカーを受けた。今季これまで出場した4レースで転倒ノーポイントに終わっていたマルケスが、完走を果たしてポイントを獲得した。

 ミルも後方から追い上げを図る形となり、15番手からスタートし、序盤はチームメイトのマルケスとバトルを繰り広げる。ポイント圏内に迫る走りを見せていたが、13周目の3コーナーで痛恨の転倒を喫してしまい、リタイアとなってしまった。ミルは怪我により欠場も相次いでいたが、決勝レースにおいて完走を果たしたのは開幕戦のポルトガルGPのみとなっている。そのなかで、今大会はスプリントで完走し、決勝でも完走とポイント獲得が見えていただけに、悔しい結果となった。

 レクオーナは、21番グリッドから好スタートを切るも、リヤタイヤのグリップに苦しんでいたようで、周回を重ねるごとにポジションを下げてしまう。しかし、今シーズン代役を務めた3戦全て完走を果たしているレクオーナは、今回も落ち着いてレースを運び、粘り強い走りで20位でチェッカーを受けた。

■マルク・マルケス(決勝:12位)
「今大会の結果はシルバーストーンと同様に、僕たちの新しいアプローチの結果だった。マシンを理解しながら、転倒せずレースを終えることに務めた。今大会はリヤタイヤにソフトを選択したけれど、ソフトを選んだのは自分だけだった。そのため、レース中のある時点ではかなりいいタイムで走ることができた」

「完走できたのはよかったと思うけれど、もっと上を目指し、努力を続けなければならない。今大会は忙しい週末を過ごしたけれど、モンメロでは何ができるのかを見てみたいね」

■ジョアン・ミル(決勝:リタイア)
「今日の結果には満足していないけれど、今週は着実に前進できたと感じているよ。転倒したことで周回数を稼げなかったのは残念だった。転倒したのはブレーキに何か問題があって、ブレーキングでワイドになった後、フロントのグリップを失ったからだ。このサーキットではいつでもそうだけど、ブレーキが限界を越えることがあるんだ」

「限界ぎりぎりで走っているときには、ちょっとしたトラブルでもマシンをコントロールするのが難しくなってしまう。ポジティブなことは、ウイークを通じてマルクとバトルできたこと。そして、以前のレースほど遅れなかったことだった。自信もついたので、この気持ちを次のレースにつなげたいと思っているよ」

■イケル・レクオーナ(決勝:20位)
「今日は楽しく走れたけれど、終盤の5周は昨日より気温が高く、タイヤの温度が上がって厳しい状況になってしまった。しかし、チームにデータを提供するために自分の力を最大限に振り絞って、最後までがんばったよ。イギリスGPに続き、こうした機会を与えてくれたLCRとHRCに感謝しているよ」

マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)/2023MotoGP第10戦オーストリアGP 決勝
マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)/2023MotoGP第10戦オーストリアGP 決勝
ジョアン・ミル(レプソル・ホンダ・チーム)/2023MotoGP第10戦オーストリアGP 決勝
ジョアン・ミル(レプソル・ホンダ・チーム)/2023MotoGP第10戦オーストリアGP 決勝
イケル・レクオーナ(LCRホンダ・カストロール)/2023MotoGP第10戦オーストリアGP 決勝
イケル・レクオーナ(LCRホンダ・カストロール)/2023MotoGP第10戦オーストリアGP 決勝
イケル・レクオーナ(LCRホンダ・カストロール)/2023MotoGP第10戦オーストリアGP 決勝

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