旧統一教会が北九州市提訴 断絶決議で全国初

記者会見する原告側の徳永信一弁護士=21日午後、福岡市

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に関与しないと宣言した北九州市議会の決議は名誉毀損や宗教ヘイトに当たり違法だとして、教団が21日、市に1100万円の損害賠償を求め福岡地裁に提訴した。教団側によると、各地の決議を巡る訴訟は信者や関連団体が起こしているが、旧統一教会による提訴は初。

 原告側の徳永信一弁護士は記者会見で「公権力による制裁を、一方的な情報だけで決めている」と批判した。教団の近藤徳茂法務局副局長は「教団と会員らの政治的自由を認めない宣言とも等しく、著しい人権侵害だ」との声明を読み上げた。

 訴状によると、北九州市議会は昨年12月、霊感商法や献金の強要などで多数の被害者が生じたと断定し「反社会的な旧統一教会に関与しないことを確認する決議」を全会一致で可決した。根拠のない誹謗中傷で、宗教団体の尊厳を侵害したとしている。

 北九州市に対しては今年2月、市内の70代男性信者が決議取り消しと損害賠償を求め提訴。同種決議をした富山市、大阪府、大阪市、同府富田林市にも信者らが訴えを起こしていた。

記者会見する旧統一教会の近藤徳茂法務局副局長(右)と徳永信一弁護士=21日午後、福岡市

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