都城 旧後藤家資料館 運営団体 NPOから民間へ移行

高城歴史文化のまちづくりフォーラムが運営する旧後藤家商家交流資料館

 都城市高城町の旧後藤家商家交流資料館を運営する「高城歴史文化のまちづくりフォーラム」(安藤武代表)が、NPO法人から民間団体へと形態変更した。館内での有料イベントや飲食の提供など、新たな活動を展開しようと意気込んでいる。
 同資料館は、江戸時代後期に回船業などで財を成した豪商、後藤家の分家宅として1900年ごろに建築された。2000年ごろ、道路拡幅に伴い取り壊される可能性が生じたため、地元住民らが保存活動を展開。国から支援が受けられるNPO法人を01年に立ち上げ、07年には資料館が国の登録有形文化財に指定された。
 同団体は入館料を主な財源にしながら、「商家のひなまつり」や「端午の節句展」など各種イベントを開催するなど、20年以上、地域活性化に貢献してきた。ただ、NPO法人の活動は利益を追求せず、公的価値のあるものに限られることや、会員の高齢化などもあり、新たな形を模索。法人の解散を決めたという。
 7月の定期総会で民間団体への移行を決議。これまでのイベントに加え、今後は館内でのジャズコンサートや落語などの有料イベント、飲食の提供、軽トラ市なども行う計画という。
 資料館内にある高城観光協会会長も務める安藤代表は「国などからの支援に報いるためにも二十数年頑張ってきたが、次のステージに移る時だと考えた。これまでの活動から脱却し、収益事業にも積極的に取り組みたい」と話している。

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