【広島土砂災害から9年】被災地で77人を追悼

77人が犠牲となった「広島土砂災害」から20日で9年となりました。被災地では遺族や住民らが祈りを捧げました。

広島市安佐南区八木3丁目。20日の未明、遺族らが慰霊碑に手を合わせました。娘夫婦と、誕生間際の孫を亡くした若松順二さん。「9年たった今も会いたい気持ちは変わらない」と話しました。2014年8月20日、大雨により、安佐南区と安佐北区で大規模な土砂災害が発生。災害関連死を含め、77人が亡くなりました。八木地区で行われた献花式には広島市の松井市長などおよそ40人が出席し、祈りを捧げました。

■夫と次女を亡くした 木原奈美子さん

「今日も頑張っているよというのと、9年前はここがすごかったねというのを主人と娘に伝えました。はじめは毎日泣いていたけど、今は時々しか涙がでなくなったかなという感じで少しずつ強くなっています」

■知人を亡くした 大植和子さん

「ああいう災害が繰り返されないためにも私たちが出来ることをやって犠牲にならないように頑張っていきたいと思っています」

一方、復興は道半ばです。広島市が広域避難路として整備を進める「長束八木線」。1.5キロは開通しましたが、用地の買収が終わっておらず残りの1.3キロは完成が見通せません。

■広島市 松井一実市長

「1.3キロ分が完成すれば、この地域の復興の象徴となる。関係者の努力とともに、地域全体がよくなるということかと思っていまして、 引き続きの関係者、地域のみなさんのご協力を仰ぎたいなと思っています」

安佐南区緑井7丁目であった供養祭。住民らがろうそくを並べ、地域で亡くなった人たちを追悼しました。

■地元住民

「語り継いでいかないと怖さとか防災の大切さとかね、そういうのをしっかりとみんなで自覚していくというのは大事なのではないかと思う」

住民らは、災害や、亡くなった人たちのことを忘れないと思いを新たにしていました。

《2023年8月21日》

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