賭博規則違反で謹慎中のトニーがFA対応に不信感…W杯メンバー発表直前の調査開始に「これほどまでに偶然が重なるのか…」

[写真:Getty Images]

賭博規則違反によって長期のフットボール活動禁止処分を科されているブレントフォードのイングランド代表FWイヴァン・トニーが、イングランドサッカー協会(FA)への不満を露わにした。『ESPN』が伝えている。

トニーは2017年2月25日から2021年1月23日の期間に、232件の賭博規則違反を働いたとして、今年5月にFAから8カ月間のフットボール活動禁止処分を科された。処分は即時有効で、同選手は2024年1月17日まで試合出場が不可に。一方で、処分が解除される4カ月前の9月17日からブレントフォードのトレーニング参加は許可されている。

トニーは自身の過ち自体は認めているものの、FAがカタール・ワールドカップのメンバー発表の5日前というタイミングで自身の調査開始を発表したことについて、何らかの含みがあったと勘ぐっている。

当時FAのチーフ・エグゼクティブを務めるマーク・ブリンガム氏は、トニーの落選が賭博規則違反の疑惑ではなく、純粋なフットボール面での判断だったと語っていたが、ポッドキャスト『The Diary Of A CEO』の番組内でその主張に異議を唱えている。

「僕はこのようなことをあまり意識していないけど、彼らがすべてを出すと決めたとき、そしてシーズン終了後に処分を受けることになったとき、これほどまでに偶然が重なるのかという気持ちになったよ」

「現在の出場停止という事実を受け入れているけど、僕にとって最大の罰はワールドカップ出場を逃したことだった。あの頃はもっと傷つき、落ち込んでいた。イングランド代表でのプレーを止めさせるために、誰かが僕を捕まえようとしているような気がしたんだ。頭の中では、当時はそう思っていた」

「彼らはこのことで自分を罰したいと考えている。イングランド代表としてワールドカップ出場を逃したことでね。ワールドカップでプレーするのは誰もが夢見るものであり、さらにその先にあったのはこの処分だった。それはまるでダブルパンチのようなものだよ」

「もし僕のワールドカップ出場を阻止するつもりならば、あのタイミングで処分を下すべきだった。そして、シーズン終了後に処分を下すのではなく、残りのシーズンでプレーさせないという決断をすべきだった。公平な見方として、自分の頭の中では納得いかないものだった」

「(発表のタイミングに恣意的なものを感じるか?)僕はそう思っているし、それをより大きな話にするためだ。個人的にはとにかく、それが真実かどうかは分からない。舞台裏で何が起こっているのかは知らないよ。だけど、ワールドカップに行く人が賭けをしているとしたら、それはもっと大きな話になるような気がする」

なお、FAは『ESPN』の取材に対して、トニーの今回の主張に対するコメントを拒否したという。ただ、関係者はトニーの主張を断固として否定している。

また、関係者は、訴訟のスケジュールはFAではなく独立した仲裁人が全当事者との協議を経て決定したと付け加えている。

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