再興院展、番場さん(上山)が最高賞 本県関係25年ぶり、4人目

番場三雄さん

 日本美術院が主催する公募展・再興第108回院展で、同人の番場三雄さん(70)=上山市石曽根=の日本画「上杉家御廟所(ごびょうしょ)」が同院の最高賞となる内閣総理大臣賞に輝いた。本県関係者の受賞は25年ぶり、4人目。  院展は日本画の国内最大規模の公募展。内閣総理大臣賞は公募作品を審査する同人を対象に選考され、今回は33人の中から番場さんの作品が選ばれた。  「上杉家御廟所」は縦約185センチ、横約220センチ。10年ほど前から何度も写生に通っているという米沢市にある歴代米沢藩主の墓所・上杉家御廟所をモチーフに、神秘的な空気感や時代を超えて大切にされてきた人々の深い思いを感じながら描いた。昨年の春の院展でも取り上げた題材に再度取り組んだ形で、番場さんは「評価していただき、励みになる。さらに勉強を重ね、今後も新たなモチーフと誠実に向き合っていきたい」と話した。  公募には402点の応募があり、本県からはいずれも山形市在住の安藤沙彩香さん、桑原武史さん、鈴木ひろ子さん、須田健文さん、千種伸宜さん、中井香奈子さんの作品が入選した。同展は東京都美術館(9月1~17日)のほか、全国8会場を巡回する。

© 株式会社山形新聞社