日米の若者 被爆地・長崎で学ぶ 第75回日米学生会議 核廃絶などテーマに発表 

「核兵器廃絶への道」をテーマに発表する学生=長崎市文教町、長崎大

 日米両国の若者72人(日米各36人)が京都、長崎、東京を巡って交流する第75回日米学生会議(国際教育振興会主催)は16日、「核兵器廃絶への道」などをテーマに県内で学んだ成果を発表する長崎サイトフォーラムを長崎市内で開いた。
 同会議は1934年、米国の対日感情の改善、日米相互の信頼回復を目指し、「世界の平和は太平洋にあり、太平洋の平和は日米間の平和にある。その一翼を学生も担うべきである」という理念の下に発足。今回は2~26日の日程で、11日からの本県訪問には、長崎大生4人も加わった。
 7分科会があり、「国際政治と日米関係」のグループは「核兵器廃絶への道」をテーマに発表。同グループのメンバーで長崎大多文化社会学部2年の木田莞奈(かんな)さん(19)は議論の過程について「核廃絶の現実的な道筋を考える上で保有国を増やさないことや条約を守らせることが重要という認識で一致した」とし、被爆地の役割について「(次世代の)教育が重要。そのためにも長崎から核兵器を使ってはいけないというメッセージを発信し続ける必要がある」と話した。
 日本側実行委員長の久野賢登さん(21)=慶応大=は「被爆体験を聞いた際、学生からの質問が相次いだ。核抑止、核廃絶は難しいテーマだからこそ被爆者の思いから何かを学びたい学生で会場は熱気に包まれた」と長崎訪問の意義を語った。

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