神戸市立2大学の無償化、久元市長「現時点で考えず」 私立大への影響を念頭に慎重姿勢

兵庫県の県立大学無償化の方針を受け、久元喜造神戸市長は定例会見で「市の公立大学については現時点で考えていない」と述べた=神戸市役所

 兵庫県が表明した県立2大学の無償化方針を巡り、神戸市の久元喜造市長は22日の定例会見で「市の公立大で無償化は現時点で考えていない」と述べた。無償化に伴い、市内の私立大などへの影響や課題を見極める必要性があるとして慎重な姿勢を示した。

 同市の公立大は市外国語大(同市西区)と市看護大(同)の2大学。久元市長は学生の世帯ごとに所得水準が異なることを挙げ、「所得に関係なく無償化することが公費の使い方として公正で適切なのか」と言及。「市の考えを市会に示し、議論していただくことが大事だ。その上で2024年度予算編成での方向性を見いだしたい」と話した。

 県は県立大と県立芸術文化観光専門職大について、要件を満たした県民は所得に関係なく入学金と授業料をなくすと発表。24年度から段階的に実施する方針を示した。大阪府は高校と大阪公立大を「完全無償化」する方向で調整している。(金 旻革)

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