Moto2:小椋藍が今季2度目の表彰台「もう少し良い結果を期待していたが、3位は嬉しい」/第10戦オーストリアGP

 8月20日、2023年MotoGP第10戦オーストリアGP Moto2クラスの決勝がレッドブル・リンクで行われ、小椋藍(IDEMITSU Honda Team Asia)は3位表彰台を獲得した。

 小椋は、オフシーズン中に負った怪我の影響で開幕前のテストを含む序盤2戦は欠場を強いられるなど前半戦は苦戦を強いられていた。しかし、サマーブレイク前最後となる第8戦オランダGPでは今季初の2位表彰台を獲得。前戦の第9戦イギリスGPでは予選16番手に沈むも、決勝では8位まで追い上げる走りを見せた。

 まだ万全とは言い切れないかもしれないが、徐々に復活の兆しを見せる小椋は、自身が2022年にポール・トゥ・ウインを飾ったレッドブル・リンクでのレースに挑んだ。小椋は初日から、チームメイトのソムキャット・チャントラとともに好調な走り出しを見せる。

Moto2:小椋藍(IDEMITSU Honda Team Asia)/2023MotoGP第10戦オーストリアGP

 初日を総合3番手で終えた小椋は「素晴らしい初日を迎えることができました。僕のフィーリングは良さはそこにあるとすぐに感じました。まずは、明日の目標としてフロントロウに並ぶことです」と語っていた。

 そして、予選Q2ではFP3でマークした自己ベストには届かなかったが、1分34秒311をマークし、トップから0.271秒差につけ、今季自己ベストの2番手を獲得。自身が目標にしていたフロントロウ獲得を有言実行し、今季初優勝に向けて一歩前進を見せた。

「予選でのパフォーマンスにとても満足しています。今日のFP3と予選Q2では予定していた仕事を完璧に終えることができました。コースのいくつかのポイントでは、わずかに苦戦しましたが、フロントロウを獲得するという当初の目標を達成することができました」

Moto2:予選でフロントロウを獲得した小椋藍(IDEMITSU Honda Team Asia)/2023MotoGP第10戦オーストリアGP

 迎えた決勝レースでは、小椋は3位でオープニングラップを終える。先頭のペドロ・アコスタ(Red Bull KTM Ajo)がリードを築いていくなか、小椋は2位のジェイク・ディクソン(Inde GASGAS Aspar Team)の背後に迫っていく。

 そして5周目に小椋が2番手に浮上するが、ディクソンも一歩も引かず、小椋に仕掛ける。ふたりがバトルを繰り広げるなか、トップのアコスタはどんどんギャップを広げていた。さらに、ふたりの背後にはセレスティーノ・ビエッティ(Fantic Racing)も迫ってきていた。

 小椋は2番手を維持して前との差を詰めていくが、13周目にディクソンを捉えて迫るビエッティに先行を許してしまう。ビエッティはその後もどんどんペースを上げて、アコスタを追いかけるが、小椋はそのペースについていけず、単独走行となってしまった。

Moto2:小椋藍(IDEMITSU Honda Team Asia)/2023MotoGP第10戦オーストリアGP

 しかし、小椋は最後まで安定した走りでレースを運び、3位でチェッカーを受け、今季2度目の表彰台を獲得した。小椋は決勝レースを次のように振り返った。

「スタートがうまく決まった後のレース序盤、僕はディクソンの後ろについていました。彼をオーバーテイクしたとき、自分のペースは悪くないと気づきました。しかしレース中盤から終盤にかけて、いくつかのコーナーで苦戦を強いられている間に、ビエッティとアコスタから離されてしまい、3位でレースを終えました」

「自分ではもう少し良い結果を期待していました。3位ではありましたが、彼らと一緒に表彰台に上がったことを嬉しく思います。しかし、僕のペースは強くなく、ギャップはあまりにも大きかったです。今週末のチームの仕事には本当に感謝しています」

Moto2:小椋藍(IDEMITSU Honda Team Asia)/2023MotoGP第10戦オーストリアGP

 怪我の影響により、他のライダーより少々出遅れる形となったが、小椋は少しずつ勝利に近づいているように伺える。優勝は2022年の日本GPから遠ざかってしまっているが、着実に復調を見せる小椋が今季初優勝を手にするのは近いだろう。

© 株式会社三栄