暑くなると…売れるモノ・売れないモノ パン↓「涼しげ・爽やか」で工夫 牛乳↑「熱中症対策」

静岡県内は8月22日も各地で厳しい暑さとなり、4日連続で熱中症警戒アラートが発表されました。“異常な暑さ”が続く2023年の夏。暑くなると売れるモノと売れなくなるモノがあるのをご存じでしょうか?

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22日も県内は高気圧に覆われ、各地で気温が上がりました。日中の最高気温は浜松市天竜区佐久間で36.7℃、静岡市駿河区と清水区で34.9℃など19の観測地点のうち18の地点で最も暑い時期を上回る暑さとなりました。

静岡市葵区の市街地では、子どもたちが水遊びをして暑さをしのいでいました。気象庁などは熱中症の危険性が極めて高い気象状況になると予測されることから、4日連続で、熱中症警戒アラートを発表しました。

<水遊びする子どもを見守る親>
「子どもたちは元気に遊んでますけど、大人はちょっと辛い(暑さ)ですけどね」

22日の県内では、21人が熱中症の症状で救急搬送されています。

記録的な暑さが続く2023年の夏。猛暑になると売れる商品と、売れなくなる商品があります。静岡市葵区のベーカリー「パンサンジュ」。猛暑の影響を受けています。

<パン・サンジュ 鈴木進司店長>
「大体、20%くらい通常の売り上げよりも落ちている」

焼きたてが自慢のパン。しかし、口の中の水分が奪われるイメージからか、冷たくてあっさりしたものを食べたくなる夏は、毎年約20%ほど売り上げが落ちるといいます。

夏の暑さがパンの売り上げに影響することは、データでも明らかに。パンを販売する店に天候や気温が売り上げに影響にするか?を聞いた調査では、「大いに影響する」が7割強、「多少影響する」は2割弱。合わせると9割のベーカリーが、売り上げは天気や気温に影響されると回答しました。

静岡市葵区の「パンサンジュ」は、売り上げが落ち込む夏を乗り越えるために工夫を重ねています。

<パン・サンジュ 鈴木進司店長>
「本当は焼き色を付けてかっこいいパンを作りたいんですけどちょっと(焼き色を)抑えて、焼き立てのイメージを下げたいというのはある」

焼く時間を少しだけ短くすることで焦げ目を減らし、見た目をできる限り「涼しげ」にするほか、レモンなど爽やかな感じを受けるパンの種類を増やすなどの対策を講じています。

<パン・サンジュ 鈴木進司店長>
「早く涼しくなってほしい」

こちらは猛暑になると売れなくなる商品。1位の「ガス代」は、暑い夏は火を使った料理を避けることが原因とみられ、「パン」は4位にランクインしています。

<竹川知佳記者>
「一方で、夏に消費が増えるのが牛乳です」

こちらは猛暑になると、売れる商品。2位の「電気代」はエアコンの使用料が増えることが理由と考えられ想像しやすいですが、「牛乳」がランクインした理由は何でしょうか?その理由を探るため、牛乳や乳製品の消費を推進する「静岡県牛乳協会」を訪ねました。

<静岡県牛乳協会 笠井幸治事務局長>
Q暑いと牛乳が売れる理由は?
「暑いから冷たいもの、アイスクリームを含めて全体的に牛乳の消費は増える」

さらに、あまり知られていないある理由から、暑くなると牛乳を求める人が増えるのではないかといいます。

<静岡県牛乳協会 笠井幸治事務局長>
「運動をしてクールダウンをする30分以内に牛乳を飲むと、熱中症の予防策としては有効な飲み方」

県牛乳協会によりますと、牛乳には血液の流れを促進させる効果があるということで、運動後に牛乳を飲むことで血液量が増えて、体温調節が促されるといった研究もあるそうです。

つまり、熱中症対策として、暑くなると牛乳を購入している層が一定数いると考えられるというのです。

【猛暑になると売れなくなるモノ】
①ガス代 ②卵 ③寝具類 ④パン ⑤果物加工品 ⑥乾物・海藻 ⑦他の穀類(パン、米以外) ⑧塩干魚介 ⑨米 ⑩加工肉
【猛暑になると売れるモノ】
①スポーツドリンクなどの飲料 ②電気代 ③たばこ ④茶類 ⑤帽子や靴下などの被服 ⑥男子用シャツ・セーター類 ⑦婦人用下着類 ⑧上下水道料 ⑨牛乳 ⑩冷暖房用器具
※「第一生命経済研究所 熊野エコノミスト」調べ

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