「都市より農村の方がハッピーに」 京都・丹波で26年開催「緑化フェア」へ初会合

2026年秋の都市緑化フェアに向け、基本構想の議論を始めた懇談会(亀岡市役所)

 2026年秋に京都府の丹波3市町での開催を目指す「全国都市緑化フェアin京都丹波」の基本構想懇談会(座長・進士五十八元東京農業大学長)の初会合が、亀岡市役所で開かれた。農村や里山など日本の原風景が広がる3市町の魅力を発信し、新たなライフスタイルの提案や感性を育むフェアを目指す方向で議論が始まった。

 懇談会ではフェアの目的など大枠をまとめる。今月上旬の初会合で事務局は、たたき台として「都市と農村の交流を促進し『こころ豊かなライフスタイル』を広げ、人々の幸福に寄与すること」などを掲げた。実現へ、農の文化や景観などから生まれる「環境」や「食農」「芸術」を切り口にイベントを展開していく方針も提示した。

 進士座長は「20世紀は農村を都市化した時代だった。これからは都市より農村の方がハッピーだという社会をつくるプライドを住民も持ち、本当の意味での新しい時代をつくる最初のイベントになれば」とあいさつ。フェアを一時的な都市の緑化にとどめず、社会変革に挑戦する場とするよう促した。

 懇談会には緑化関連の団体だけでなく、JA京都や3市町の経済団体なども参加。フェアを生かした商店街の活性化など、幅広い団体が主体的に関わり地域全体を盛り上げる必要性を確認しあった。

 今後、素案をまとめた上で年末に市民意見を募り、基本構想を策定。来年2月に国土交通相へ提出する。

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