山火事の警報使用、5年前に要求 ハワイ住民、米報道

山火事の被害が大きかった米マウイ島ラハイナの街並み=22日(AP=共同)

 【ホノルル共同】多数の犠牲者が出た米ハワイ州マウイ島の山火事を巡り、ワシントン・ポスト紙は22日、2018年に同島西部で発生状況が今回と類似した山火事があり、被災住民が警報サイレンを使用する必要性を訴えていたと報じた。当時「火災向けではない」としたマウイ郡は今回もサイレンを鳴らさず、批判を受けた緊急事態管理局長は辞任している。

 山火事は22日で発生から2週間。115人の死亡が確認され、地元当局によると少なくとも850人が行方不明。被害の全容は分かっておらず、不明者の親族は長期化する捜索に焦りと不満を募らせている。

 同紙によると、18年の山火事は今回と同様、強風や干ばつで燃え広がった。死者はいなかったが、住宅21棟を焼いた。当時としてはハワイ州で過去最多の焼失数だったという。

 住民らは当時の郡長らを「私たちの声に耳を傾けなかったために今回、人々が亡くなった」と批判。辞任した郡の緊急事態管理局長は、サイレンが「津波用」だとして鳴らさなかった郡の判断を正当化していた。

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