日本の南海上には複数の熱帯低気圧
23日(水)午後の北半球のひまわり衛星画像です。日本のすぐ南の海上には低気圧の雲がありますが、それ以外にも南の海上にはいくつか雲がまとまっている様子が見られます。
23日午後の天気図では、日本から南東に遠く離れた海上に一つ熱帯低気圧があり、フィリピンのすぐ東の海上にも別の熱帯低気圧が解析されています。
24時間&48時間後の予想天気図をみると、2つの熱帯低気圧ともに位置や中心付近の気圧に大きな違いはなく、すぐに台風へと発達するような予想にはなっていません。
その後、台風となって日本列島に影響が出るような可能性はあるのでしょうか。気象庁の週間天気予報の資料などを見ると、来週半ばになると台湾の近くの海上にLマークが出てきます。これは現在、フィリピンの東の海上にある熱帯低気圧だとみられます。
アメリカ&ヨーロッパ 熱帯低気圧の予想は
アメリカ海軍
つづいて海外の予報機関の情報なども参考にみていきます。アメリカ・ハワイにあるアメリカ軍の合同台風警報センター(JTWC)が23日午後3時に発表した台風情報です。
ここには監視対象となった熱帯低気圧や台風のほか、将来的に監視対象となりうる雲のまとまりについての情報を発表しています。
フィリピンの東海上にある熱帯低気圧(91W)は赤い○で囲まれているため、24時間以内に監視の対象になる可能性が高いとしています。
一方、日本から遠く離れた南東の海上の熱帯低気圧は、赤い矢印で「TD 08W」と示されていますがすでに監視の対象となっていて5日先までの進路予想も発表されています。
その進路予想を見ると、5日先の28日(月)時点でも硫黄島の東あたりと、まだかなり日本から離れた南の海上にあります。最大風速をみると現在より少し発達する予想となっているようです。
ヨーロッパ中期予報センター
こちらはある予想時刻の48時間以内に、その場所から300キロ以内を熱帯低気圧が通過する確率を示した図です。
28日(月)9時の予想では、フィリピンの東海上で確率が非常に高くなっています。現在、フィリピンの東海上にある熱帯低気圧がほとんど位置を変えずにいる可能性があります。
また日本の南東海上から東海上にやや確率が高めの色がついたエリアがありますが、こちらは、今、日本の南東にある熱帯低気圧に対応しているとみられます。
さらに先である9月1日(金)の予想をみると、日本の南海上に新たに確率が高くなったエリアが確認できます。これは別の熱帯低気圧が発生したこを示している可能性があります。
現時点の予想は、先になるほどかなりのブレ幅があります。そもそも台風として発表されるようになるかも不確実な状況で、まだ何か具体的に考える段階ではありません。
場合によっては立て続けに台風が発生する可能性もあるんだ…という参考程度に見ていただければと思います。しばらくは南の海上の雲のまとまりの動向が気にある時期となりそうです。