犬は何度だと暑く感じるの?犬種による違いはある?適切な温度とは?

危険なのは「夏日」から!わんこの適温は25度以下

わんこのことをよく「夏でも毛皮のコートを着ている」と表現することがありますが、それだけにわんこにとっての適温は人間よりも低めと言われています。具体的には20〜25度前後とされ、夏であっても25度以下を維持したいところです。

気象庁の定義では気温が25度を超えると「夏日」とされますから、「夏日」以上の日には室温管理とわんこの体調管理に注意が必要ということです。

要注意!暑さが苦手な犬種

とはいえ実際にわんこが快適と感じる気温については犬種によっても差があります(更に言えば個体によっても差がありますが)。特に暑さが苦手な犬種は下記の通りですので、愛犬が当てはまる場合には「低め」の設定温度を心がけましょう。

1.短頭種

フレンチブルドッグやパグ、キャバリアなど、マズルが短い短頭種のわんこは暑さに弱いため、他の犬種以上に注意が必要です。

例えば航空会社だと、ANAでは暑さの厳しい5〜10月の夏季期間、JALでは年間を通して、特定の短頭種の貨物室での預かりを行っていません。それほどに危険が大きいということです。
2.寒冷な地域原産の犬
夏でもそれほど高温にならない寒冷な地域原産の犬種にとっても、日本の夏は耐え難いもの。シベリアンハスキーやグレートピレニーズ、セントバーナードなどがこれに当たります。

寒冷な地域原産のわんこは寒さに耐えるため、ダブルコートと呼ばれる二層構造の被毛を持っています。もちろん、季節と気温に応じて夏毛と冬毛に生え替わりはするのですが、それでも適応できる気温には限りがあります。

3.シニア期のわんこ・肥満のわんこ

特定の犬種とは異なりますが、どの犬種のわんこであってもシニア期のわんこや肥満のわんこは、暑さが命取りになりかねないため注意が必要です。

高齢になると体温調整が難しくなったり、肥満による脂肪過多によって暑がりになったりするのは、わんこも人間も同じです。

使えるものは使おう!夏でも適温を維持するために

電気料金の高騰などから節電・省エネを意識している人も多いかもしれませんが、それで愛犬の命を危険にさらしたのでは意味がありません。使えるものは上手に使って、夏でも快適な気温を維持するように努めましょう。

1.わんこには扇風機よりもエアコン

わんこは全身を被毛に覆われているため、汗の気化熱による体温調節をほとんど行いません。そのため扇風機の風はほぼ無意味。それよりもエアコンで室温自体を下げてあげるほうが効果的です。

また接触冷感のシートや板なども、ひんやりして気持ち良いと感じる子が多いようです。

2.わんこは涼しいところを知っている?

家の中で自由にさせている場合、「せっかくエアコンをかけているのに、意外と部屋の中にあまりいない」という子もいるのではないでしょうか?

そんな子は、実はエアコンが効いた部屋より快適な場所を知っているのかもしれません。風がよく通る場所や気温が低めの場所など、わんこは快適な場所を見つける天才です。

できればエアコンの効いた部屋から自由に出入りできるようにしておいて、少し冷えすぎと感じたときに逃げられたり、自然の涼しさを感じたいと思ったときに休みに行けるようにしておいてあげると良いですね。

まとめ

いかがでしたでしょうか?全身を被毛に覆われているわんこの場合、寒さよりも暑さを苦手とする子が多いのが実情です。暑い夏を元気に乗り切るために、愛犬の暑さへの耐性がどのくらいであるのかをしっかり把握し、必要な対策をとって快適な環境をつくってあげましょう。

(獣医師監修:寺脇寛子)

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