パワースポットの青玉神社、「竜の水口」盗まれる 兵庫・多可町 住民「一日も早く戻して」

竜の水口が盗まれ、竹で応急処置した青玉神社の手水舎=多可町加美区鳥羽

 自然に囲まれたパワースポットとして知られる青玉神社(兵庫県多可町加美区鳥羽)で、手水舎にある竜の水口(みなくち)が何者かに盗まれた。宮総代の足立充男さん(66)は西脇署に被害届を提出し、「一日も早く戻して」と呼びかけている。

 同神社は県天然記念物に指定された樹齢600~千年のスギ7本が拝殿を囲む。最も大きな「夫婦大杉」は、高さ約50メートルと壮観。夫婦円満や縁結びの御利益を求めて多くの人が訪れる。

 参拝者が手や口を清める手水舎は入り口付近にある。御神水が流れ出る竜の水口は、氏子の寄付で15年以上前から設置されていたという。

 足立さんら地域住民は月に2回、敷地内を清掃している。17日昼、足立さんが一人で見回りを行ったところ、手水舎ではいつものように竜の口から御神水が流れ出ていた。19日、知り合いから足立さんに「竜がなくなっている」と連絡があり、神社に行くと跡形もなく消えていたという。

 竜の根元につながっていたホースが引き抜かれ、真上に水が噴き出していた状態だったため、竹を組み合わせて急ごしらえの水口を用意。20日には西脇署に被害を届けた。

 足立さんは「住民に親しまれてきた竜。罪には問わないので、返してほしい」と訴えている。(伊田雄馬)

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