無人駅増加に対応 さくら市のJR蒲須坂駅内に郵便局設置へ 2025年春ごろから

 利用客の減少や駅員不足を背景に、全国的にJR各社の無人駅が増えています。そのような中、さくら市の無人駅に郵便局が作られることになりました。

 郵便局が作られるのは、さくら市にあるJR宇都宮線の蒲須坂駅です。2018年にJR東日本と日本郵便が結んだ「地域・社会の活性化に関する協定」を受け、駅舎の建て替えを機に2025年春ごろから窓口業務の一体運営が始まります。郵便局と駅窓口の一体運営は栃木県内では初めてですが、全国的にみると既に千葉県にあるJR内房線の江見駅で2020年8月から行われているほか、JR内房線の安房勝山駅でも来年(2024年)夏ごろからの予定で進められていて、蒲須坂駅は3例目となる予定です。

 JR全6社には合わせて4368駅ありますが、無人駅はそのうち58%を占めています。利用客の減少や駅員不足を背景に、採算を確保したいという思惑と利便性向上や安全性確保へのニーズがぶつかり合い、赤字路線を存続するか廃線にするのかという問題が全国的に注目を集め、地域の不安も広がっています。郵便局との窓口一体運営は、駅の無人化回避の取り組みでJR東日本が日本郵便に駅の窓口業務の一部を委託する形で、地域の利便性向上と地域活性化を目指します。

 現在は、蒲須坂駅から東に約200mの距離の蒲須坂郵便局ですが、今後、駅の建て替えのタイミングで敷地内に郵便局を移し仮称・蒲須坂駅郵便局とします。郵便局員が、通常の郵便などの窓口業務に加え乗り越し精算の対応や列車の発車時刻、運賃の案内業務などを担います。従来通り乗車券や定期券の販売は行いませんが、交通系ICカードSuicaのチャージ機を設置する予定だということです。

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