将棋の「伊藤園お～いお茶杯第64期王位戦」（神戸新聞社主催）7番勝負を制した藤井聡太王位（21）＝竜王、名人、叡王、棋王、王将、棋聖＝が24日、徳島市のホテルで記者会見した。「防衛できてほっとしている」と喜びをかみしめ、全八冠制覇が懸かる王座戦5番勝負に向けて「大変な注目をいただける舞台。気負い過ぎても良くないので、自然体で臨みたい」と意気込みを語った。
藤井王位は22、23日に同市で行われた7番勝負第5局で挑戦者の佐々木大地七段（28）を下し、シリーズ通算成績4勝1敗で王位戦4連覇を果たした。31日からの王座戦5番勝負では永瀬拓矢王座（30）に挑み、唯一獲得していない八大タイトル「王座」の奪取を目指す。
「八冠に挑戦する機会を得られたのは光栄で、将来、自分の棋士人生を振り返ったときには大きな出来事になる」と語った藤井王位。タイトル保持者と挑戦者が対局する番勝負について「始まってしまえば対等な戦いになるが、気持ちの面では挑戦者のほうが勢いがついてやりやすい」と実感を述べた上で、昨年、永瀬の挑戦を退けた棋聖戦5番勝負を踏まえ「工夫して、おもしろいシリーズにしたい」と語った。（井原尚基）
